◎ほうおう座流星群 (Phoenicids in 1956)     (From YC 2460)



  注意:^^^^の部分を訂正,追加した.



  ほうおう座流星群が出現した1956年時の軌道は,次のとおりとなる.



   T = 1956 Oct. 25.47353 TT       Epoch =  1956 Oct. 14.0 TT

   ω =   0o.13367                     e =    0.6767146

   Ω =  74.37345    (2000.0)          a =    3.0669992 AU

   i =   9.59610                      n゚=    0.18349895

   q =   0.9915160 AU                 P =    5.37 年



  本会会長,長谷川一郎氏(I. Hasegawa, Kobe)によると「南極観測船宗谷で

夜光観測をしていた中村純二氏は,1956年12月5日13時44分UTから流星が飛ぶの

を認め,16時30分頃(12月5.6875 UT)にその極大となり,1時間あたり数100個

の流星が出現した.しかし,18時頃にはかなり減ってしまった」という記事が,

天文月報1957年7月号にあること,さらに,上の軌道から,同流星群の輻射点を

α= 3o.1,δ= -41o.6 (2000),VG= 10.4-km/sec.と計算されることが報告され

た.しかし,氏によると,この値は,ほうおう座流星群の実際に観測された輻射

点α= 356o,δ= -42o.5 (2000)に少し合わないという.       ^^^^

  そこで,古在理論(Proc. Japan Academy, 78B, 84-60 (2002),cf. YC 2386, 

YC 2429)を使用して,このとき観測された流星が,1819年の同彗星の回帰時に

放出されたものとして,次の放出軌道を計算した.ただし,彗星の周期が短いた

めに,1819年の近日点以外から放出された粒子が,1956年の出現になった可能性

の方が極めて大きいと思われる.従って,これは単なる1例にしか過ぎない.



Object   T /TT           q       e        P     ω       Ω        i      a

       Epoch     

1819 W1  1819 11 20.238  0.89081  0.70241   5.18  349.735   79.955    9.228   2.

99337  1819 11 22

Particle 1819 11 20.239  0.89081  0.70259   5.18  349.735   79.955    9.228   2.

99521  1819 11 22

                  +.0004 +.000000 +.000183  +.0048  +.0004   0.0000   0.0000  +.

001842           

  "      1956 12 06.034  0.98389  0.67893   5.36    0.454   74.126    9.652   3.

06445  1956 11 23



  上の軌道の中で,第1行目が1819 W1の出現軌道,2行目が古在理論で補正さ

れた粒子の軌道,3行目がその補正値,最後の軌道が粒子の1956年当時の軌道と

なる.これによると,1819年の近日点で +2.213-m/sec.で放出された粒子が,

1956年12月5.672日UTに地球軌道の内側で地球に0.00138 AUまで接近したことな

る.さらに,この粒子は,過去に1856年,1861年,1951年に同程度まで,地球に

接近している.もし,これらの年のいずれかに出現の記録があれば,この粒子が

流星群を起こしたことになるが,多くの可能性があり,これは低いだろう.この

粒子は,木星に1960年3月10日に0.395 AU,1995年10月1日に0.368 AUまで接近

し,軌道が大きく変わったため,このトレルからの流星の出現は1956年が最後に

なったものと考えられる.また,各回帰年に放出されて粒子の中で,この粒子と

                        ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

似たような軌道になった粒子も,同じような影響を受けたのだろう.

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  長谷川氏(Hasegawa)は,さらに,上記の4番目の軌道から,1956年のほうお

う座流星群の輻射点の位置を決定した.しかし,同流星群の輻射点は,α= 3o.5,

δ= -41o.5 (2000),となり,観測された輻射点とは,位置にして5o.6ほど違う

ことを指摘している.また,観測された輻射点から,流星群の軌道の離心率を

0.6789と仮定すると,q= 0.9848 AU,ω= 357o.04,Ω= 74o.13,i= 9o.11の

軌道が得られるという.

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