2004年4月25日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
YAMAMOTO CIRCULAR
2424
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こと座流星群 Lyrids in 2004
神戸の豆田勝彦氏(Katsuhiko Mameta)氏は,2004年4月20/21日と21/22日JSTの夜,この流星群を観測した.氏の報告によると,20日夜は,透明度は良くなかった.21日夜は,一旦,観測を止めたが,26時すぎにこの群の出現の連絡を受け,再度,観測したという.今年のこと群は,やや出現が盛んであったとのこと.氏の観測は,4月20/21日,27:00〜28:00
JST,全流星6個,こと座群3個,最微光星5.7等;以下同順に21/22日,24:00〜25:00,5個,2個,5.4等;25:00〜25:40,4個,2個,5.4等;27:00〜28:00,7個,5個,5.4等.なお,OAA計算課による今年の極大予報は,4月22日08時JSTであった.
豆田氏は,3月には,12日から20日にかけて4夜,黄道流星群の観測を行ない,3月20/21日22:00〜26:00まで,9個の同群の流星の出現を観測した.その平均光度は3.8等であった.また,氏は,へび座流星群の観測を3月27/28日27:00〜28:00,7個,2個,5.4等;28:00〜28:30,4個,1個,5.4等,28/29日,27:00〜28:00,11個,2個,5.8等と報告している.
LINEAR新彗星 C/2004 G1 (LINEAR)
LINEARサ−ベイで4月9日に りゅう座を撮影したCCDフレ−ム上の次の位置に18等級の彗星が発見された.発見当時,彗星は,非常に拡散していて,西にぼやけた尾が見られた.マウント・ジョイとテ−ブル・マウンテンの10日の観測でも,5"のコマと西の方向に淡い尾が見られた(IAUC
8318).
2004 UT
α
(2000) δ Mag.
Apr. 9.36391 18h 26m 14s.09 +72゚ 12' 45".3 18.5
OAA計算課では,2004年4月9日から20日までに行なわれた36個の観測から次の軌道を決定した.軌道改良に使用された最終観測は,那賀川の堀寿夫氏(H. Hori)と前野拓氏(H. Maeno)によるもので,CCD全光度は18.4等であった.また,久万の中村彰正氏(A. Nakamura)の4月11日の観測では,CCD全光度が17.1等であった.
。
T = 2004
June 4.798 TT ω
= 110.500
Ω = 228.381
(2000.0)
q = 1.20242 AU i =
114.492
2004/ α (2000) δ △ r Elong. Phase m1
0h TT h m 。 , AU AU 。 。 等
Apr. 25 02 12.04
+83 17.7
1.318 1.359 70.1 44.1 17.9
30 03 43.27
+79 01.2 1.390 1.325 64.8
43.5 17.9
May 5
04 19.38 +74 40.1 1.467 1.295 59.7
42.3 18.0
10 04 38.64
+70 41.1 1.546 1.268 54.7
40.6 18.0
15 04 50.94
+67 06.3 1.625 1.246 50.0
38.5 18.0
20 04 59.70
+63 53.5 1.702 1.228 45.5
36.0 18.0
25 05 06.37
+60 59.5 1.775 1.214 41.3
33.4 18.1
m1 = 16.0 + 5 log △ + 10.0 log r
へびつかい座新星 2004 = V2574 Ophiuchi
北九州の高尾明氏(Akira Takao)は,4月14.80日にへびつかい座を写したCCDフレ−ム上に11等級の新星状天体を発見した.山形の板垣公一氏(K. Itagaki)は,翌15日にこの新星の存在を確認し,出現位置をα=17h
38m 45s.49,δ=-23゚
28' 18".5と観測した.氏のCCD光度は10.2等であった(IAUC 8323).なお,この新星は,三重の中村祐二氏(Y. Nakamura)によって独立発見されていたことが伝えられた(IAUC 8324).この新星は,その後,10等級で観測されている.
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YAMAMOTO CIRCULAR
No.2424
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ブラッドフィ−ルド新彗星 C/2004 F4 (Bradfield)
2004年3月28日,オ−ストラリアのベレスフォ−ド(A. C. Beresford)は,ブラッドフィ−ルド(W. A. Bradfield)が,薄明中に地平線上近くの くじら座に眼視発見した8等級の新彗星の発見を報告した.この彗星は,25-cm反射を使用して,3月23日と24日夕刻に,ブラッドフィ−ルドによって行なわれた太陽を掠める彗星群をねらった捜索中に発見されたという.報告前の数日間に,彗星の確認作業が行なわれたが,彗星は見つからなかった.しかし,4月8日になって,彗星は,再び,発見者によって捕らえられた.翌9日に,彗星は,サイディング・スプリングのマックノ−ト(R. H. McNaught)とスミス(T. M. Smith)によって,12-cm双眼鏡で観測された.このとき,彗星は,中央集光が強く,30"ほどの青いコマが見られ,5等級まで明るくなっていた.尾の痕跡も見られた.彼らは,12日にも,青く集光し,短い尾がほぼ天頂方向に伸びた彗星を捕らえた.11日と同じ12日には,ラブジョイ(T. Lovejoy)によって,100-mmレンズ+CCDカメラで彗星が捕らえられた.彗星の光度は,4月11日に4等級,12日に3.3等級まで明るくなっていたという(IAUC
8319).
2004 UT α (2000) δ Mag. Observer
h m 。 ,
Mar. 23.43 1 50.0 - 1 26 8 Bradfield
24.42
1 51.0 - 1 25
"
Apr. 8.4 2 08.5 - 1 36
"
9.368 2 09.1 - 1 24 5 McNaught
11.3461 2 08 32.74 - 0 56 37.8
4
Lovejoy
12.3427 2 07 39.50 - 0 30 59.2
3.3
"
彗星は,4月16日からSOHOのLASCO
Cカメラでも捕らえられ,18日には,SOHOイメ−ジ上,太陽の西側を通過した.バンコック在住の蓮尾隆一氏(R. Hasuo)によると,「SOHOの画像では,近日点通過後の彗星の頭部は広がり,シンクロニックバンドも見えている」という.
上尾の門田健一氏(Ken-ichi Kadota)は,4月24日朝JSTに,この彗星の観測に成功した.氏の
CCD全光度は,3.5等であった.さらに,同氏と土佐の下元繁男氏(Shigeo Shimomoto)は,25日JST早朝にもこの彗星を捕らえた.星の広場HAL
73に掲載された熊本の工藤哲生氏(Tetuo Kudo)の同朝24日04時10分頃に撮影された画像によると,彗星には,約12゚ほどの長い尾が伸びている.一方,うお座にあるC/2002
T7は,小さな彗星として写っているが,氏の画像からは,尾は見られない.また,串田嘉男・麗樹夫妻(Yoshio & Reiki Kushida)の25日04時JSTの眼視観測によると,彗星は,恒星状の鋭い核(光度2.8等)をもち,その尾は20゚まで伸びているという.
OAA計算課では,上記の発見以後の概略観測とSOHOから報告された4月15日〜20日まで,地上から23日と24日に行なわれた75個の観測を使用して次の放物線軌道を決定した.なお,観測にWeightingできるプログラムが摂動用しかないため,放物線軌道ではあるが摂動が加算されている.加重平均誤差は1".47.5月上旬まで,LINEAR彗星(2002
T7)とともに見ることができるだろう.
Epoch = 2004 Apr. 25.0 TT 。
T = 2004 Apr. 17.0943 TT ω = 332.7780
e =
1.0
Ω = 222.8138 (2000.0)
q =
0.167993 AU i
= 63.1692
2004/ α (2000) δ △ r Elong. Phase m1 PA/Tail 天文薄明開始時
28h JST h
m
。 ,
AU
AU 。 。 等 。 。 h。 A 。
Apr.
26 01 00.86 +28 28.4 0.980 0.399 23.1
82.2 4.8 305/11.1 +5.4
238.6
27 00 59.82 +29 51.1 1.006 0.428 24.6
77.9 5.1 305/10.6 +6.8 238.0
28 00 59.11 +31 06.9 1.031 0.457 25.9
74.1 5.5 305/10.0 +8.1
237.4
29 00 58.67 +32 16.6 1.057 0.486 27.1
70.8 5.8 305/9.55 +9.3
236.8
30 00 58.47 +33 21.2 1.082 0.514 28.2
67.8 6.1 305/9.09 +10.4
236.3
May 1 00 58.46
+34 21.3 1.107 0.541 29.2
65.2 6.4 305/8.67 +11.4
235.7
3 00 58.88 +36 10.0 1.155 0.596 31.0
60.7 6.9 304/7.93 +13.3
234.8
5 00 59.75 +37 46.3 1.202 0.648 32.6
57.0 7.3 303/7.29 +14.9
233.9
7 01 00.94 +39 12.8 1.248 0.700 34.1
53.9 7.7 302/6.75 +16.3
233.1
9 01 02.36 +40 31.5 1.291 0.750 35.4
51.3 8.1 301/6.29 +17.6
232.4
11 01 03.93 +41 43.7 1.333 0.799 36.7
49.1 8.4 300/5.89 +18.9
231.7
13 01 05.59 +42 50.7 1.374 0.846 37.9
47.1 8.8 299/5.54 +20.0
231.0
15 01 07.32 +43 53.2 1.413 0.893 39.0
45.4 9.1 298/5.24 +21.2
230.4
20 01 11.73 +46 14.1 1.504 1.007 41.7
42.0 9.7 295/4.63 +23.8
229.1
25 01 16.00 +48 18.9 1.587 1.115 44.3
39.4 10.3 292/4.17 +26.4
227.9
30 01 19.92 +50 12.2 1.663 1.219 46.8
37.4 10.8 289/3.81 +28.9
226.8
m1 = 8.8 + 5 log △ + 10.0
log r
2004 April 25
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Syuichi Nakano