2005年7月25日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2479
発行:〒656-0011兵庫県洲本市炬口1-3-19 東亜天文学会速報部 郵便振替口座:00980-8-189107 加入者名:東亜天文学会速報部 購読料1部130円 |
Published by the Department of Yamamoto
Circular, Oriental Astronomical Association Collaborating with the Computing and Minor Planet SectionsP. O. Box No.32, Sumoto, Hyogo-Ken, 656-8691 JAPANe-Mail address: (Subscription) URL: http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/yc.htm |
編集:中野 主一 ☎ 0799-22-3747
Fax: 23-1104 e-Mail address: Editor: Syuichi Nakano, 3-19, Takenokuchi 1 Chome, Sumoto, Hyogo-Ken, 656-0011 JAPAN |
|
東亜天文学会天体発見賞の改定 OAA
Discovery Award
本会では,毎年,我が国で発見される新天体の発見者に東亜天文学会(OAA)新天体発見賞と発見メダルを授与し,その功績を称えてきた.このたび,本会会員の新天体発見への捜索意欲の向上を図り,我が国でのさらに多くの新天体発見をめざすため,また,本会会員の天文学への貢献と寄与を図るため,本会では,これまでの天体発見賞に副賞をもうけ,賞金を授与することにした.
その賞金額は,新彗星1天体につき20万円.新星,及び,激変星など1星につき7万円.超新星1星(系外銀河の新星も含む),アテン・アポロ・アモール型天体1星,カイパ−天体1星につき2万円となる.なお,同一天体を複数の発見者が発見した場合,賞金は,その人数によって等分される.また,若い人たちの新天体発見の捜索意欲の向上を図るため,25歳未満の人が新天体を発見した場合,賞金額は2倍増しになる.
この賞の受賞資格は,新天体発見当日以前に,本会に入会している人で,日本国内に在住している人に授与される.ただし,発見者は,アマチュアであって,アマチュアの望遠鏡(他のアマチュアのものでも良い)で発見した天体に限られる.この規定に該当すれば,海外での発見,邦人以外の発見でも,この天体発見賞を受けることができる.天文アマチュアは,一度は,新天体の発見を目指した経験を持つ人が多いだろう.この賞を好機にして,ぜひ,そのときの心境を思い起こし,再び,新天体発見に新たに挑戦されることを期待する.なお,この改定は,2005年5月1日以降の発見に適用される.
エドガ−・ウィルソン賞 Edgar
Wilson Award
2005年6月末までの1年間に新彗星を発見したアマチュア天文家に贈られるこの賞の受賞者が次の2名に決まった.受賞者には,発見プレ−トと総額約2万ドルの賞金が均等に分配される(IAUC
6936, IAUC 8544; cf. YC 2401, YC 2433).
Roy
A. Tucker, Tucson, AZ, U.S.A., for C/2004 Q1
Donald
Edward Machholz, Jr., Colfax, CA, U.S.A., for C/2004 Q2.
UTC-TAIについて (YC 2436の続き)
2005年12月の終りに,+1秒の閏秒が挿入される.閏秒が挿入されるのは,1998年12月31日UTC以来のこと.従って,協定世界時(UTC)と国際原子時(TAI)との差は,2006年1月1日0時UTCから次に公示するまで,次のとおりである.なお,2005年末の秒の刻みは,2005年12月31日23h59m59s,23h59m60s,
2006年1月1日00h00m00s UTCとなる(IERS Bulletin C 30, IAUC 8567).
UTC - TAI =
-33 seconds
超新星 2005cz
IN NGC 4589
山形市の板垣公一氏(Koichi Itagaki, Yamagata)は,2005年7月17日21時JST頃に,北天りゅう座にある系外銀河 NGC 4589 を60-cm f/5.7反射望遠鏡+CCDで撮影した捜索フレーム上に16.0等の超新星 2005cz を発見した.この超新星は,米国のパケット(T. Puckett et al.)らの捜索グループが行なっている超新星サーベイでも,セーガル(A. Sehgal)が50-cm望遠鏡で,7月18日05時半JST頃に同銀河を撮影した捜索フレーム上に,パケットによって独立発見され,この超新星の出現が確認された.そのとき,超新星は16.0等であった.この超新星は,板垣氏が保有する2001年以後の捜索フレーム上には,その姿が見られなかった.氏は,また,今年6月20日にも,同銀河をサーベイしていた.しかし,このとき,超新星は,まだ,出現していなかったという.その離角は,銀河の中心核から東に12",南に6".板垣氏は,その出現位置をα= 12h37m27s.85,δ= +74o11'24".5と測定している.なお,板垣氏は,これで,15個目の超新星発見を発見したことになり,氏の超新星発見数は,我が国で最多発見数となった(OAA計算課,新天体発見情報79,IAUC 8569).
2
YAMAMOTO CIRCULAR
No.2479
|
2008年回帰の周期彗星 Return Comets in 2008
OAA計算課では,2008年に回帰予定の周期彗星の次の予報軌道を計算した.2008年には,44個の周期彗星が回帰予定である(cf.
YC 2398, YC 2431, http://www.oaa.gr.jp/~oaacs//nk/nk1212.htm).なお,観測数のあとの*は,軌道に非重力効果が加算されていることを意味する.これらの彗星の中で,LINEAR周期彗星(2003 KV2)は,2005年5月発行のMPCには,現れてきていないが,2008年にその近日点を通過することは確かである(cf. YC 2398).
2005 July 25
Ⓒ Copyright 2005 OAA
Syuichi Nakano
Internet Explorer上にあるMicroSoft Wardのアイコンをクリックして,表示→印刷レイアウトを指定すると,ほぼ,オリジナルの山本速報が見れます.その際は,2ページ目の上にあるブランク行(2行)とこの説明を省くと,2ページに収まります.印刷の際は,B4用紙に2ページを指定すると,ほぼ,オリジナルと同じになります.