2005年11月5日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2490
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超新星 SN
2005gl IN NGC 266
北海道,名寄市の佐野康男氏(Yasuo
Sano, Nayoro)は,2005年10月12日22時JST頃に,うお座にある系外銀河 NGC 266 を28-cm f/6.1反射望遠鏡+CCDで撮影した捜索フレーム上に16.7等の超新星
2005gl を発見した.この超新星は,10月5日に,すでに米国のパケット(T.
Puckett, Ellijay)らによる超新星捜索グループが18.2等で発見していた.しかし,その確認が10月12日12時JSTとなったため,佐野氏の発見が,独立発見として認められた.佐野氏の新星の測定位置はα=00h49m50s.11,δ=+32o16'55".9.なお,佐野氏も,同じ10月5日21時頃に,この銀河を捜索していたが,極限等級が18等級の同氏の捜索フレームには,その姿が見られなかったという.なお,八ヶ岳の串田麗樹さん(R.
Kushida, Yatsugatake)は,同夜にこの超新星を観測し,その位置を下桁でα= 50s.12,δ= 56".1,光度を17.0等と観測している.超新星の出現位置は,銀河核からの離角にして,東に30”,北に17”となる.なお,佐野氏の超新星発見は,これで3個目(OAA計算課新天体発見情報83,IAUC 8615).
リード新周期彗星 P/2005
S3 (Read)
リード(Michael
T. Read)は,キットピークの91-cmスペースウォッチ望遠鏡で2005年9月30日におひつじ座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に19等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,南西に長い尾があって,拡散していた.彗星は,10月上旬に多くの観測者によって捕らえられ,18.5等の10"足らずのコマと西南に20"〜50"ほどの尾が認められている(IAUC
8608, IAUC 8612, IAUC 8618).
2005 UT
α
(2000) δ
Mag.
Sept.30.41409 02h 27m 29s.77 +19゚ 18' 27".3 19.2
OAA計算課では,2005年9月30日から11月1日までに行なわれた135個の観測から次の軌道を決定した.彗星は,周期が11年ほどの新周期彗星であった.なお,光度パラメータは,HICQ
2006用にグリーン(D. W. E. Green, CFA)によって決定されたもの.
T = 2006 Jan. 8.8681 TT
ω = 140o.5368 e = 0.420265
Ω = 273.4514 (2000.0) a = 4.903218 AU
i = 3.4794
n゚= 0.09077834
q = 2.842566 AU
P = 10.9 年
2005/2006 α (2000) δ △ r Daily Motion Elong.
Phase m1
0h
TT h m 。 , AU AU , 。 。 。 等
Nov.
6 02 08.00 +17 32.7 1.890 2.874 8.9/243 171.1 3.1
18.3
16 02 02.49
+16 51.5
1.914 2.865 7.0/238 160.3 6.7 18.3
26 01 58.40
+16 13.9 1.964 2.857 4.3/226 149.2 10.2
18.3
Dec.
6 01 56.27 +15 44.4 2.037 2.851 1.9/175 138.5 13.2
18.4
16 01 56.38
+15 25.9 2.130 2.847 3.5/100 128.3 15.7
18.5
26 01 58.79
+15 19.7 2.238 2.844 6.7/ 85 118.7 17.7
18.6
Jan.
5 02 03.42 +15 25.8 2.357 2.843 9.8/ 80 109.6 19.0
18.7
15 02 10.11
+15 43.2 2.485 2.843 12.6/ 77
101.1 19.9 18.8
25 02 18.61
+16 10.3 2.618 2.845 15.0/ 76 93.0 20.2
18.9
Feb.
4 02 28.72 +16 45.1 2.754 2.848
17.0/ 76
85.3 20.2 19.0
14 02 40.23
+17 25.6 2.889 2.853 18.7/ 76 78.0 19.8
19.1
24 02 52.95
+18 09.9 3.023 2.859 20.1/ 76 71.0 19.1
19.2
Mar.
6 03 06.72 +18 56.2 3.153 2.867
21.3/ 77
64.3 18.2 19.4
m1 = 10.0 + 5 log △ + 15.0 log r
Editorial
Notice: 1週間以内に次号を発送予定
(Next YCs will be published in a week).
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YAMAMOTO CIRCULAR
No.2490
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たて座新星 2005 (V476
Scuti = Nova Scuti 2005)
北九州の高尾明氏(Akira
Takao, Kita-Kyushu)は,2005年9月30.52日UTにたて座を写したCCDフレ−ム上に10等級の新星を発見した.この新星は,愛知の長谷田勝美氏(K.
Haseda, Aichi)も,同日に発見していたという.マウント・ジョンのギルモア夫妻(A.
C. Gilmore and P. M. Kilmartin)は,10月1.393日UTに撮られた画像から,この新星の位置をα= 18h32m04s.75,δ= -6o43'34".3と測定した.このとき,新星は10.0等だった.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)による10月1.389日UTの観測からの測定位置の最終桁は,α= 04s.74, δ= 35".0で,光度は9.9等であった.新星の光度は,11月2日には11.5等,3日に11.6等(カルバジャル;スペイン)と報告されている(IAUC
8607, IAUC 8612).
マックノート新彗星 C/2005
S4 (McNaught)
国立オーストラリア大学のマックノート(R.
H. McNaught)は,サイディング・スプリングで行なわれているスカイ・サーベイで50-cm ウプサラ・シュミットを使用して,2005年9月30日につる座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に18等級の彗星を発見した.発見時,彗星は拡散状であった.翌10月1日に120秒露光で撮影したフレーム上では,東南に8"ほどの尾が見られた.ウプサラ・シュミットの過去の捜索画像を調べたところ,この彗星の姿は,2005年7月27日,8月10日,28日に発見位置近くを撮った捜索フレームに写っていることが判明した(IAUC
8609).
2005 UT
α
(2000) δ Mag.
Sept.30.55673 22h 06m 03s.85 -37゚ 48' 49".1 18.9
OAA計算課では,2005年7月27日から11月2日までに行なわれた56個の観測から次の軌道を決定した.平均残差は0".45.なお,光度パラメータは,HICQ
2006用にグリーン(D. W. E. Green)によって決定されたもの.
Epoch = 2007 June 29.0 TT 。
T = 2007 July 18.8823 TT ω =
31.4878
(1/a)org.= +0.000441
e
= 0.998696
Ω = 318.2937 (2000.0) (1/a)fut.= +0.000393
q
= 5.848267 AU i =
107.9518
( Q = 6 )
2005/2006 α (2000) δ △ r Daily Motion Elong.
Phase m1
0h
TT h m 。 , AU AU , 。 。 。 等
Nov.
6 21 45.99 -35 01.4 7.150 7.268 6.6/331 92.9 7.8
18.2
16 21 43.44
-34 03.8 7.277 7.229 6.2/344 83.3 7.8
18.3
26 21 42.07
-33 03.7 7.402 7.189 6.2/357 73.8 7.6
18.3
Dec.
6 21 41.79 -32 02.2 7.521 7.150 6.3/
8
64.4 7.1 18.3
16 21 42.46
-31 00.0 7.629 7.112 6.5/ 17 55.1 6.5
18.3
26 21 43.95
-29 57.8 7.721 7.073 6.8/ 25 46.0 5.7
18.3
Jan.
5 21 46.10 -28 56.1 7.794 7.036 7.0/ 30 37.1 4.8 18.3
m1 = 7.5 + 5 log △ + 7.5
log r
ミュラー第5周期彗星 173P/Mueller
5 (1993 W1 = 2005 T1)
月惑星研究所のクリステンセン(E.
J. Christensen, LPL)は,レモン山サーベイで2005年10月7日に1.5-m反射で撮られたサーベイフレーム上に,この周期彗星を検出した.検出時,彗星のCCD全光度は18等級で,集光した8"のコマと西に20"の曲った尾が見られた.氏の検出は,ブルガリアのフラテフ(F.
Fratev, Plana)から報告された10月6日の1夜の彗星の検出位置と10月7日にLONEOSサーベイのCCDフレーム上に偶然写っていた彗星が,この彗星の回帰であることを確認した.なお,フラテフの使用した望遠鏡は小型の25-cm反射であった(IAUC
8613; cf. YC2488).彗星の検出位置は,予報軌道(NK 1019 (= HICQ 2004))から赤経方向に刄ソ=+238",赤緯方向に刄ツ=+110"のずれがあった.これは,近日点通過時刻に,T= -0.82日の補正となる.
OAA計算課では,1992年から2005年までに行なわれた86個の観測から次の軌道(HICQ
2006)を計算した.平均残差は0".82(http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1282.htm).なお,彗星の追跡観測は2005年11月1日まで行なわれている.2005年12月からの位置予報がHICQ 2006(p.
H149)にある.
T = 2008 May 18.51724 TT Epoch = 2008 May 14.0
TT
ω = 29o.83448 e
= 0.2611486
Ω = 100.56967 (2000.0) a = 5.7040962 AU
i = 16.49588
n゚= 0.072347551
q = 4.2144797 AU
P = 13.62 年
2005
November 5
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Syuichi Nakano
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