2005年11月12日
山 本 速 報 ISSN 0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2492
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オリオン座流星群 Orionids
in 2005
神戸の豆田勝彦氏(Katsuhiko
Mameta, Kobe)は,同市北区八多町で10月19/20日,20/21日,この流星群を観測した.氏の報告によると,条件が悪く定かではないが,条件が良ければ,例年並か,やや多めのHR20〜30程度の出現があっただろうとのこと.氏の観測は,10月19/20日,観測時間26:00〜27:00
JST,全流星5個,オリオン群2個,おうし群1個,最微光星4.2等,以下,同順で,27:00〜28:00,6個,3個,1個,4.2等,20/21日,26:00〜27:00,9個,6個,2個,4.3等,27:00〜28:00,9個,5個,1個,4.2等であった.なお,氏によれば,今年活発になると予想されているおうし座流星群の活動は,まだ,低調であったとのこと.
LINEAR新周期彗星 P/2000
QJ46
(LINEAR)
2000年8月24日にLINEARサーベイでみずがめ座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に18等級の特異小惑星2000
QJ46が発見された.小惑星は,同年11月29日まで追跡された.ワシントン大学のソロントイら(M.
Solontoi, A. West et al., Washington)は,2000年9月3日と4日にニュ−メキシコで行なわれているスローン・デジタルサーベイ(SDSS)の2.5-m反射で撮影されていたCCDフレームを調査の結果,この小惑星には,コマと非常に淡い短い尾が確認され,この小惑星は,彗星であったことが判明した.彼らから,このときの精測位置が次のとおり報告された(IAUC
8622).
2000 UT
α (2000) δ
Mag. Observer
h m s 。 ,
"
Aug. 24.27007
22 34 38.81 -08 24
11.5 18.5 LINEAR
Sept. 3.26725
22 30 05.10 -09 24
26.4
SDSS
4.38530 22 29
33.65 -09 31 21.3
"
OAA計算課では,2000年8月24日から11月19日までに行なわれた27個の観測から次の軌道を決定した.平均残差は0".80(http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1285.htm).彗星は,周期が14年ほどの新周期彗星であった.なお,現在,彗星は,遠日点近くを動いており観測できない.次回の近日点通過は,2014年12月22日となる.
T = 2000 Dec. 10.3432 TT Epoch = 2000 Dec. 2.0 TT
ω = 222o.9575 e
= 0.672874
Ω = 158.2440 (2000.0) a = 5.911170 AU
i = 4.3759
n゚= 0.06857943
q = 1.933696 AU
P = 14.37 年
ブロートン新周期彗星 P/2005
T5 (Broughton)
豪州クインズランドのブロートン(John
Broughton, Reedy Creek)は,51-cm反射f/2.7望遠鏡を使用して,2005年10月9日にちょうこくしつ座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に18等級の彗星を発見した.彼は,前々日7日に撮影したフレーム上にも,彗星のイメージを見つけた.10月24日になって,ヤング(J.
Young, Table Mountain)は,60-cm反射でこの彗星を捕らえた.そのとき,彗星には8"のコマと北北東に16"の広がった尾が見られた.マックノート(R.
H. McNaught, Siding Spring)の1.0-m反射による同日の観測によると,彗星のコマの中央部は非常に集光し,東北に12"の淡い尾があった.10月25日のマックガハ(J.
E. McGaha, Tucson)の62-cm反射での観測では,彗星には7"の集光部があって,非常に淡いコマが20"まで広がっていることが認められた.彼によると尾は見られないとのこと.発見前の観測が,サイディング・スプリングで撮影されていた8月26日と10月2日の捜索フレーム上に見つかった.また,LINEARサーベイの9月26日の1夜の観測群中にも見つかっている(IAUC
8621).
2005 UT
α (2000) δ
Mag.
Oct. 9.57058 00h 06m 38s.05 -27゚ 22' 54".2 18.5
- continued -
2
YAMAMOTO CIRCULAR
No.2492
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OAA計算課では,2005年8月26日から11月8日までに行なわれた68個の観測から次の軌道を決定した.彗星は,周期が20年ほどの新周期彗星であった.なお,光度パラメータは,HICQ
2006用にグリーン(D. W. E. Green, CFA)によって決定されたもの.
T = 2005 Nov. 3.5038 TT
ω = 304o.5121 e = 0.552421
Ω =
57.0683
(2000.0) a = 7.254520 AU
i = 21.3732
n゚= 0.05044186
q = 3.246971 AU
P = 19.5 年
2005/ α (2000)
δ △ r Daily Motion Elong. Phase m1
0h
TT h m 。 , AU AU , 。 。 。 等
Nov.
6 23 56.01 -24 20.6 2.606 3.247 9.6/356 122.5 14.9
18.2
16 23 55.58
-22 44.3 2.715 3.248 10.9/ 11 114.2 16.1
18.3
26 23 57.09
-20 57.5
2.837 3.251 12.4/ 23 106.0 17.0 18.4
Dec.
6 00 00.43 -19 03.0 2.968 3.255
13.9/ 31
98.0 17.4 18.5
16 00 05.43
-17 03.1 3.105 3.261 15.4/ 37 90.2 17.6
18.6
26 00 11.87
-15 00.0
3.245 3.268 16.8/ 42 82.6 17.4 18.7
m1 = 11.0 + 5 log △ + 10.0 log r
シュワスマン・ワハマン第3周期彗星 73P/Schwassmann-Wachmann
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月惑星研究所のハーゲンローザ(C.
W. Hergenrother, LPL)は,2005年10月22日と24日にマウント・ホプキンスの1.2-m反射を使用して,2006年に地球に0.08
AUまで接近するこの彗星の主核C核の再観測に成功した.再観測時の彗星は,強く集光した6"のコマと西北西に8"の短い尾が見られ,そのCCD全光度は19等級であった(IAUC
8623).これらの位置は,予報軌道(NK 934(= HICQ 2005))から,赤経方向に刄ソ= +225",赤緯方向に刄ツ= -100"ほどのずれがあり,近日点通過時の補正値にしてT= -0.43日ほどであった.ただし,このTでは,赤経方向に-23"の残差が残るため,前回の分裂時に,その軌道面が変化したのもと思われる.
OAA計算課では,1995年10月から2005年までに行なわれたC核の305個の観測から,次の軌道を計算した.平均残差は0".76(http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1288.htm).2006年の接近時のC核,B核,E核のくわしい予報が天文年鑑2006,C核の予報がHICQ
2006(p.H107〜109)にある.彗星が明るくなってきた時期にその予報を掲載する予定.なお,前回出現で観測されたB核とE核の扱い方が議論されている.
T
= 2006 June 6.94745 TT
Epoch = 2006 May 25.0 TT
ω = 198o.80300 e = 0.6931919 A1
= +1.38
Ω =
69.89604
(2000.0) a = 3.0609704 AU A2 = -0.0523
i
= 11.39589
n゚= 0.18404134
q
= 0.9391304 AU
P = 5.36 年
リード新周期彗星 P/2005
U1 (Read)
リード(M.
T. Read)は,91-cmスペースウォッチ望遠鏡で2005年10月24日におひつじ座とおうし座の境界ふきんを撮影したCCDフレームの次の位置に20等級の彗星を発見した.発見当時,彗星は拡散状であった.10月25日から27日にかけてキットピークの1.8-m反射で行なわれた彗星の形状確認では,6"のコマと西に20"の尾が見られた.また,クリステンセン(E.
J. Christensen)は,レモン山の1.5-mの反射での観測で,彗星には西南西に10"の尾が見られることを報告している.なお,発見前1日前の10月23日の観測がカテリナ・スカイサーベイから報告された(IAUC
8624).
2005 UT
α (2000) δ
Mag.
Oct. 24.32776 03h 21m 11s.94 +18゚ 09' 17".8 20.2
OAA計算課では,2005年10月23日から11月10日までに行なわれた81個の観測から次の軌道を決定した.軌道改良に使用された最終観測は,上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)によるもので,氏のCCD全光度は19.2等と報告されている.彗星は,周期が5年半ほどの新周期彗星であった.なお,彗星が19等級なので,位置予報は省略する.
T = 2005 July 27.663 TT
ω = 325o.675 e = 0.25354
Ω =
51.641
(2000.0) a = 3.16531 AU
i = 1.266
n゚= 0.175017
q = 2.36278 AU
P = 5.63 年
2005
November 12 Ⓒ Copyright 2005 OAA
Syuichi Nakano
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