2006年5月28日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2515
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みずがめ座η流星群 ηAquarids
in 2006
神戸の豆田勝彦氏(Katsuhiko
Mameta, Kobe)は,2006年5月2/3日(加東郡東条町),3/4日(宍粟市千種町海抜1000-m),4/5日(東条町),5/6日(神戸市北区)に,この群の定常観測を行なった.氏によると,いずれの夜も最高の条件ではなかったが,5月3/4日夜には,同群に属する明るい流星3個(0等が1個,2等が2個)の出現を観測した.しかし,5月4/5日の夜は,ほとんどが暗い流星の出現で,もっとも明るいものは2等級であったとのこと.氏の観測は,5月2/3日26:00〜27:00
JST,全流星6個,みずがめ座η群2個,最微光星5.8等,以下同順に,27:00〜27:40,14個,3個,5.8等,5月3/4日26:00〜27:00,29個,4個,6.5等,27:00〜27:45,27個,5個,6.5等,5月4/5日26:00〜27:00,14個,3個,5.5等,27:00〜27:50,12個,3個,5.7等,5月5/6日27:00〜27:50,7個,4個,5.0等であった(cf.
YC 2428, YC 2470).
マックノート新周期彗星 P/2006
H1 (McNaught)
サイディング・スプリングのマックノート(R.
H. McNaught, Siding Spring)は,2006年4月29日に50-cmウプサラ・シュミットで みずがめ座を撮影した捜索フレーム上の次の位置に17等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には淡い小惑星状の頭部に西南西に拡散した8"の尾が見られた.彗星の確認は,マウント・ジョンのギルモア(A.
C. Gilmore, Mt. John)によって,4月30日に1.0-m 反射を使用して絹雲を通して行なわれた.そのとき,彗星には集光した頭部と西南西に細い尾が見られたという.カリフォルニアのヤング(J.
Young, Table Mountain)による5月1日の60-cm反射での薄明中の観測では,目立った集光のない6"のコマが見られたが,尾はわからなかったとのこと(IAUC
8706).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Apr. 29.78705 22h 29m 25s.44 -19゚ 35' 46".1 17.9
OAA計算課では,2006年4月29日から5月16日までに行なわれた29個の観測から次の軌道を決定した.彗星は,周期が20年ほどの新周期彗星であった.しかし,周期は,まだ,大きく動くだろう.
T = 2006 May 6.584 TT
ω = 309o.287 e
= 0.67363
Ω =
1.118
(2000.0) a = 7.40257 AU
i = 12.769
n゚= 0.0489362
q = 2.41594 AU
P = 20.1 年
2006/ α (2000)
δ △ r Daily Motion Elong. Phase m1
0h
TT h m 。 , AU AU , 。 。 。 等
May
25 23 08.48 -15 28.6 2.353 2.422
21.6/ 65
81.6 24.4 17.2
June
4 23 21.54 -13 57.4 2.252 2.430
19.4/ 64
87.5 24.7 17.1
14 23 32.99
-12 32.3 2.152 2.441 16.8/ 62 93.9 24.5
17.0
24 23 42.64
-11 14.7 2.056 2.455 13.9/ 59 100.6 24.0
17.0
July
4 23 50.24 -10 05.9 1.964 2.473
10.7/ 55
107.9 23.0 16.9
14 23 55.58
-09 06.5 1.878 2.494 7.4/ 45 115.7 21.5
16.8
24 23 58.48
-08 17.2
1.802 2.518 4.4/ 19 124.2 19.5 16.8
Aug.
3 23 58.81 -07 37.8 1.738 2.544 4.0/324 133.4 16.8
16.8
13 23 56.61
-07 07.4 1.690 2.573 6.4/293 143.2 13.6
16.7
23 23 52.15
-06 44.2
1.660 2.605 8.9/282 153.6 9.9 16.8
Sept. 2
23 45.94 -06 25.8 1.653 2.640 10.6/279 164.4 5.9
16.8
m1 = 11.5 + 5 log △ + 10.0 log r
2
YAMAMOTO CIRCULAR No.2515
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アンドロメダ大星雲の新星 Nova
2006-04a in M31
2006年4月9日深夜JSTに超新星2006bp(cf. YC 2512)を発見した山形市の板垣公一氏(Koichi
Itagaki, Yamagata)は,4月29日早朝にアンドロメダ大星雲(M31)を60-cm f/5.7反射望遠鏡+CCDで撮影した7枚の捜索フレーム上に16.1等の新星を発見した.この新星は,約1ヶ月前の3月7日の捜索時には,まだ,出現していなかった.また,2005年10月までに行なわれた氏の多数の捜索フレーム上にも,その姿が見られなかった.発見1日後の新星の光度は17.0等であったことが報告されている.この新星は,他の観測グループからも発見時刻の早い報告があったが,板垣氏が第1発見者として認定された.なお,板垣氏は,2002年10月にアンドロメダ大星雲の伴星雲
M110 に15等級の新星,さらに2005年6月に同大星雲に17.5等の新星を発見している(cf. YC 2476).板垣氏が系外銀河に発見した新星は,これで3個目となった(OAA計算課新天体発見情報87, http://cfa-www.harvard.edu/iau/CBAT_M31.html)
マックノート新彗星 C/2006
K1 (McNaught)
サイディング・スプリングのマックノート(R.
H. McNaught, Siding Spring)は,2006年5月17日に50-cmウプサラ・シュミットで きょしちょう座を撮影した捜索フレーム上の次の位置に17等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には西南西に10"ほどに拡散したコマが見られた.発見直後に撮られた確認画像上では,彗星には,北西に扇形状に広がった強く集光したコマが見られた.発見翌日の18日にギルモア(A.
C. Gilmore, Mt. John)によって,マウント・ジョンの60-cm反射で撮影された1分露光の5枚の積算イメージ上では,彗星には,約10"の弱く集光したコマと西北西に短い尾が見られるようだと報告されている(IAUC
8712).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
May 17.71978 22h 53m 07s.97 -60゚ 38' 18".1 17.6
OAA計算課では,2006年5月17日から23日までに行なわれた39個の観測から次の軌道を決定した.
。
T = 2007 July 26.681 TT ω = 298.094
Ω = 71.924 (2000.0)
q = 4.35332 AU i
= 53.800
2006/ α (2000)
δ △ r Daily Motion Elong. Phase m1
0h
TT h m 。 , AU AU , 。 。 。 等
May
25 23 01.70 -61 25.8 5.254 5.552
10.6/132
101.9 10.3 17.7
June
4 23 12.63 -62 36.9 5.123 5.504
10.2/138
106.9 10.2 17.6
14 23 22.38
-63 53.7 5.004 5.457 9.8/145 111.4 10.0
17.5
24 23 30.67
-65 15.0 4.898 5.410 9.4/153 115.2 9.8
17.4
July
4 23 37.14 -66 38.6 4.807 5.364 8.9/161 118.3 9.6
17.4
14 23 41.44
-68 02.0 4.733 5.319 8.2/171 120.3 9.5
17.3
24 23 43.17
-69 22.1 4.674 5.274 7.5/182 121.3 9.5
17.3
Aug.
3 23 41.99 -70 35.2 4.632 5.230 6.7/194 121.2 9.5
17.2
13 23 37.77
-71 37.2
4.605 5.187 5.9/210 120.1 9.7 17.2
23 23 30.66
-72 24.2 4.593 5.145 5.2/230 117.9 10.0
17.1
Sept. 2
23 21.33 -72 52.6 4.595 5.103 4.7/254 115.0 10.3
17.1
m1 = 8.5 + 5 log △ + 7.5
log r
うしかい座α流星群 αBootids
in 2006
神戸の豆田勝彦氏(Katsuhiko
Mameta, Kobe)は,2006年5月に地球に接近したシュワスマン・ワハマン第3周期彗星に関係すると思われるこの流星群の観測を2006年5月20/21日,21/22日(神戸市北区)に行なった.氏によると,いずれの夜も観測条件が悪かったが,両夜には,明瞭な同群の出現は見られなかったとのこと.氏の観測は,5月20/21日21:30〜22:00
JST,全流星3個,うしかい座α群1個,最微光星5.0等,以下同順に,22:00〜23:00,10個,0個,5.2等,23:00〜24:00,10個,1個,5.4等,5月21/22日21:30〜22:00,2個,0個,4.5等,22:00〜23:00,5個,0個,4.5等であった.なお,IAUC
297とHAC 128によると,花山の中村要氏(K. Nakamura,
Kwasan)が,1930年のこの群の出現を6月9日に輻射点(15h45m, +41o.5)から60分間に59個(4等級より明るいもの12個),6月10日に輻射点(15h40m, +42o)から30分間に36個(4等級より明るいもの3個)の非常に淡い流星を観測したことが報告されている.
2006 May 28
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Syuichi Nakano
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