2006年9月30日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR 2526
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アンドロメダ大星雲の新星 Nova
2006-09c in M31
精力的に新天体の捜索活動を続けている山形市の板垣公一氏(Koichi
Itagaki, Yamagata)は,2006年9月18日23時頃JSTに60-cm f/5.7反射望遠鏡+CCDでアンドロメダ大銀河を撮影した捜索フレーム上に,また別の16.6等の新星を発見した.板垣氏によると,この新星は9月15日の捜索時には,まだ,20.0等以下で出現していなかったという.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)は,同夜9月19日00時32分にこの新星を捕らえ,その光度を16.8等と観測した.その後の板垣氏の04時21分の観測では,この新星の光度は16.5等とのこと(OAA計算課新天体発見情報91; http://cfa-www.harvard.edu/iau/CBAT_M31.html).
超新星 2006gi
in NGC 3147
続いて,板垣公一氏(Koichi
Itagaki, Yamagata)は,同じ夜,2006年9月19日03時前JSTに北天りゅう座にある系外銀河NGC 3147を60-cm f/5.7
反射望遠鏡+CCDで撮影した捜索フレーム上に16等級の超新星2006giを発見した.板垣氏は,最近では,2006年3月22日と6月3日にも,この銀河を捜索していたが,その夜の捜索フレーム上の出現位置に19等級より明るい星は見当たらないとのこと.また,この超新星は,板垣氏が保有する過去の捜索フレーム上にも,その姿が見られなかった.板垣氏は,発見同日,夕刻にこの超新星の存在を確認した.なお,この超新星は,銀河核から西に30",北に144"の位置,赤経α= 10h16m46s.76, 赤緯δ= +73o26'26".4に出現している(OAA計算課新天体発見情報91, IAUC 8751).
エドガ−・ウィルソン賞 Edgar
Wilson Award
2006年6月末までの1年間に新彗星を発見したアマチュア天文家に贈られるこの賞の受賞者が次の3名に決まった.受賞者には,発見プレ−トと総額約2万ドルの賞金が均等に分配される(IAUC
8730, IAUC 6936, IAUC 8544; cf. YC 2401, YC 2433, YC 2479).
Charles
Wilson Juels (Fountain Hills, AZ, U.S.A.) for C/2005
N1
Paulo
Renato Centeno Holvorcem (Campinas, Brazil)
for C/2005 N1
John
Broughton (Reedy Creek, Qld., Australia) for
P/2005 T5
冥王星 (134340)
Pluto
プラーグ(プラハ)で開かれたIAU総会の決議の従って,冥王星には,準(矮)惑星として,小惑星の登録番号(134340)が与えられた.また,深宇宙を動く小惑星2003
UB313には,登録番号(136199)が与えられ,この準惑星にはエリス(Eris),その衛星((136199)
Eris I = S/2005 (2003 UB313) 1)は,エリスの娘の一人であるダィスノミア(Dysnomia)と命名された.なお,太陽系の大惑星は,水星から海王星まで8個となった(MPC
57525, IAUC 8747; cf. YC 2482).
ブロートン新彗星 C/2006
OF2
(Broughton)
すでに,山本速報2525でその発見を紹介した豪州のブロートン(J.
Broughton, Reedy Creek)が,2006年7月17日にやぎ座とけんびきょう座の境界近くを25-cm反射で撮影したCCDフレーム上の次の位置に発見した18等級の小惑星2006
OF2は,発見後,順調に9月中旬まで17等〜18等級で観測された.9月20日になって,カテリナの1.54-m反射でこの小惑星を観測したハーゲンローザ(C.
W. Hergenrother)から,小惑星には,小さく集光した7"のコマがあって,全光度が18.2等,しかし,尾は見られないことが報告された.さらに,氏は9月26日にも,この小惑星を観測し,はっきりと集光した7"のコマが北東に伸びていることが報告され,この小惑星は,彗星であることが判明した(IAUC
8756).なお,小惑星には,2006年6月23日にパロマー,7月8日にサイデング・スプリングで行なわれた観測群の中に発見前のイメージが見つかっている.
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continued -
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YAMAMOTO CIRCULAR
No.2526
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2006 UT
α (2000) δ
Mag.
July 17.65728 20h 43m 51s.49 -27゚ 37' 11".2 18.2
OAA計算課では,2006年6月23日から9月26日までに行なわれた111個の観測から次の軌道を決定した.平均残差は0".34(cf.
YC 2525; http://www.spaceguard.or.jp/ja/mpnews/0081
& 0087.html).天体は,準放物線軌道上を動く,彗星の1つであった.彗星は,2008年秋には10等級まで明るくなるだろう.なお,位置予報は,山本速報2525にある.
Epoch = 2008 Sept. 11.0 TT 。
T = 2008 Sept. 15.5507 TT ω =
95.6032
(1/a)org.= -0.000073
e = 1.001046
Ω = 318.5093 (2000.0) (1/a)fut.= -0.000760
q = 2.431387 AU i
= 30.1670
( Q = 5 )
クリステンセン新周期彗星 P/2006
R2 (Christensen)
月惑星研究所のクリステンセン(E.
J. Christensen)は,68-cmシュミットを使用してカテリナで行なわれているスカイ・サーベイで,2006年9月14日にみずがめ座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に17等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には15"のコマと西北西に短い尾が見られた.発見同日のマックノート(R.
H. McNaught, Siding Spring)による50-cmウプサラ・シュミットでの観測では,彗星のコマは12"で西南西に20"の尾が観測された.ブラジルのジャッキーら(C.
Jacques & E. Pimentel, Belo Horizonte)による30-cmシュミット・カセグレインでの9月15日の観測では,彗星には集光した22"のコマと西に50"の淡い尾が見られた.また,ツーソンのマックガハ(J.
E. McGaha, Tucson)による36-cmシュミットカセグレインでの観測では,西南西に伸びた淡いコマが観測された(IAUC 8748).なお,LONEOSサーベイから報告された8月30日の一夜の観測群にこの彗星の発見前の観測が見つかっている.
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Sept.14.32179 23h 16m 44s.03 -16゚ 45' 49".6 17.5
OAA計算課では,2006年8月30日から9月28日までに行なわれた90個の観測から次の軌道を決定した.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)は,彗星のCCD全光度を9月18日に17.2等,23日に17.4等と観測している.彗星は,周期が約8.5年ほどの新周期彗星であった.
T = 2006 June 16.1543 TT
ω = 189o.0773 e = 0.271117
Ω = 139.1193 (2000.0) a = 4.166606 AU
i = 16.2896
n゚= 0.1158858
q = 3.036967 AU
P = 8.50 年
クリステンセン新周期彗星 P/2006
S1 (Christensen)
月惑星研究所のクリステンセン(E.
J. Christensen)は,68-cmシュミットを使用してカテリナで行なわれているスカイサーベイで,2006年9月16日にペガスス座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に17等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,よく集光した15"のコマと西南西に細長く直線状に伸びた2'の尾が認められた.この彗星は,発見直後に多くの観測者によって,その追跡観測が報告されている.それらによると,彗星には,約10"コマと西南西に最長で3'に伸びる尾が観測されている(IAUC
8749).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Sept.16.24646 23h 25m 47s.64 +24゚ 50' 12".9 17.4
OAA計算課では,2006年9月16日から28日までに行なわれた143個の観測から次の軌道を決定した.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)は,彗星のCCD全光度を9月18日に17.0等と観測している.彗星は,周期が6.5年ほどの新周期彗星であった.
T = 2006 Aug. 30.172 TT
ω = 128o.019
e = 0.61018
Ω = 213.669 (2000.0) a = 3.48556 AU
i = 11.850
n゚= 0.151459
q = 1.35873 AU
P = 6.51 年
2006
September 30
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Syuichi Nakano
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