2006年10月1日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2527
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超新星 2006gs
in NGC 3977
精力的に新天体の捜索を続けている山形の板垣公一氏(Koichi
Itagaki, Yamagata)は,2006年9月23日早朝JSTに北天おおぐま座にある系外銀河NGC 3977を60-cm f/5.7 反射望遠鏡+CCDで撮影した捜索フレーム上に17等級の超新星2006gsを発見した.板垣氏は,2005年5月15日にこの銀河を捜索していたが,その夜の捜索フレーム上の出現位置に19等級より明るい星は見当たらないとのこと.また,この超新星は,板垣氏が保有する過去の捜索フレーム上にも,その姿が見られなかった.なお,氏は,最近では,2006年9月21日にも,この銀河を捜索している.しかし,極限等級が17.5等級と良くないフレーム上にも,その姿が見られないとのこと.板垣氏は,発見同日,夕刻にこの超新星の存在を確認した.なお,この超新星は,銀河核から東に11",北に3"の位置,赤経α= 11h56m08s.50, 赤緯δ= +55o23'29".8に出現している.板垣氏は,これで,23個目の超新星を発見したことになり,氏が持つ我が国での超新星,最多発見数をさらに更新した(OAA計算課新天体発見情報92; IAUC 8754).
LINEAR新彗星 C/2006
S2 (LINEAR)
LINEARサーベイから2006年9月17日にヘルクレス座とこと座の境界ふきんを撮影したCCDフレーム上の次の位置に発見された19等級の小惑星状天体が報告された.カリフォルニアのヤング(J.
Young)による61-cm反射での9月18日の観測では,この天体には5"の集光部とそれを取り囲むように10"の外層部が観測された.さらに,19日には8"のコマが見られた.しかし,いずれの日も,長時間露光でも,尾は観測できなかったという(IAUC
8750).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Sept.17.17360 18h 16m 38s.52 +46゚ 40' 51".1 19.0
OAA計算課では2006年9月17日から26日までに行なわれた78個の観測から次の軌道を決定した.
。
T = 2007 May 7.792 TT ω = 166.472
Ω = 113.907 (2000.0)
q = 3.15793 AU i
= 98.954
LONEOS新彗星 C/2006
S3 (LONEOS)
ローエル天文台のスキッフ(B.
Skiff)から,LONEOSサーベイで2006年9月19日にうお座を撮影した捜索フレーム上の次の位置に19等級の彗星の発見が報告された.この彗星は,同天文台のマンダシェブ(Mandushev,
Lowell)が1.1-mヘール望遠鏡で撮られた画像上に確認された.そのとき,彗星には,東の方向に伸びた11"の集光したコマが見られた.クリステンセン(E.
J. Christensen)によると,彗星のイメージは,カテリナ・スカイサーベイの68-cmシュミットで9月17日に撮影された捜索フレーム上にも,10"のコマを持つ天体として認められた.氏の9月20日の観測でも,彗星のコマは10"であったという.発見直後の彗星の追跡は,多くの観測者によって行なわれ,彗星には視直径が10"〜15"の東に伸びたコマがあることが観測されているが,明瞭な尾は見られないとのこと.(IAUC
8752).なお,カテリナ・スカイサーベイで8月29日に行なわれた捜索フレーム上にも,発見前のイメージが見つかっている.
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Sept.19.31576 00h 09m 11s.55 +10゚ 01' 02".0 19.0
OAA計算課では,2006年8月29日から9月25日までに行なわれた60個の観測から次の軌道を決定した.彗星の近日点通過は,6年後の2012年であった.彗星の標準等級はH10= 5.0等と明るく,近日点距離はq=5.1
AUと大きいが,近日点頃には13等級まで明るくなるだろう.
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continued -
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YAMAMOTO
CIRCULAR
No.2527
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。
T = 2012 Apr. 14.1304 TT ω = 140.0672
Ω = 38.2446 (2000.0)
q = 5.119679 AU i =
165.9962
クリステンセン新彗星 C/2006
S4 (Christensen)
クリステンセン(E.
J. Christensen)から68-cmカテリナ・スカイサーベイで2006年9月22日にくじら座を撮影した捜索フレーム上の次の位置に16等級の新彗星を発見したことが報告された.発見時,彗星には,西南に広がった1'.8の扇形の尾が見られた.発見同夜のクレット(M.
Tichy & J. Ticha)で行なわれた1.06-m KLENOT望遠鏡による観測では,拡散した10"のコマと西に尾が観測された.英国のバートホイッスル(P.
Birtwhistle, Great Shefford)による40-cm f/6.0シュミット・カセグレンでの9月23日の観測では,集光した10"のコマと西南に40"の尾が見られた(IAUC
8753).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Sept.22.37326 01h 50m 43s.48 -16゚ 25' 58".4 16.8
OAA計算課では,2006年9月22日から26日までに行なわれた45個の観測から次の軌道を決定した.近日点通過が2007年で,比較的明るい彗星ではあるが,今後の地球との位置関係が良くないために16等級より明るくはならないだろう.
。
T = 2007 Apr. 22.816 TT ω =
20.051
Ω = 27.257 (2000.0)
q = 3.34152 AU i
= 57.002
ヒル新彗星 C/2006
S5 (Hill)
ヒル(R.
E. Hill)から68-cmシュミットを使用して行なわれているカテリナ・スカイサーベイで,2006年9月28日にうお座を撮影した捜索フレーム上の次の位置に18等級の新彗星を発見したことが報告された.発見時,彗星には,南西に約10"の尾が見られた(IAUC
8755).9月14日にパロマーの1.2-mオースチン・シュミットで行なわれていた捜索フレーム上に発見前のイメージが見つかっている.
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Sept.28.28000 00h 50m 22s.81 +19゚ 01' 40".8 18.6
OAA計算課では,2006年9月14日から29日までに行なわれた19個の観測から次の軌道を決定した.軌道改良に使用された最終観測は,ASOのシェロード(P.
C. Sherrod)による.氏のCCD全光度は18.2等であった.
。
T = 2007 Dec. 19.346 TT ω = 183.293
Ω = 282.871 (2000.0)
q = 2.55517 AU i
= 10.175
ヒル新周期彗星 P/2006
S6 (Hill)
ヒル(R.
E. Hill)から68-cmシュミットを使用して行なわれているカテリナ・スカイサーベイで,2006 S5の発見と同日2006年9月28日におひつじ座を撮影した捜索フレーム上の次の位置に18等級の新彗星を発見したことが報告された.発見時,彗星には,西南西に約10"〜15"の尾が見られた.なお,8月29日と9月18日のカテリナ・スカイサーベイ,9月18日のLINEARサーベイの捜索フレーム上に発見前の観測が見つかっている(IAUC
8755).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Sept.28.40022 03h 04m
27s.33 +25゚ 59'
37".4
18.7
OAA計算課では,2006年8月29日から9月29日までに行なわれた29個の観測から次の軌道を決定した.軌道改良に使用された最終観測は,ASOのシェロード(P.
C. Sherrod)による.氏のCCD全光度は18.6等であった.彗星は,周期が8年ほどの新周期彗星.
T = 2006 Oct. 18.1509 TT
ω = 31o.2105 e
= 0.424879
Ω =
9.0721
(2000.0) a = 4.170641 AU
i = 13.1787
n゚= 0.1157177
q = 2.398623
AU
P = 8.52 年
2006
October 1
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Syuichi Nakano
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