2006年11月29日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2534
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超新星 2006ov in M61( = NGC
4303)
精力的に新天体の捜索活動を続けている山形市の板垣公一氏(Koichi
Itagaki, Yamagata)は,2006年11月25日05時半JSTにおとめ座銀河群の中にある系外銀河 M61(= NGC 4303)を60-cm
f/5.7 反射望遠鏡+CCDで撮影した捜索フレーム上に14.9等の超新星2006ovを発見した.板垣氏は,最近では,2006年5月4日UTにも,この銀河を捜索していた.しかし,その夜の捜索フレーム上の出現位置に19.5等級より明るい星は,見当たらなかった.また,この超新星は,板垣氏が保有する過去の多数の捜索フレーム上にも,その姿が見られなかった.板垣氏は,発見翌日11月26日朝にこの超新星の存在を確認した.続いて,確認依頼を受けた上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)も,この超新星の出現を確認した.門田氏の観測によると,超新星の光度は15.0等であった.なお,この超新星は,銀河核から東に5".5,北に51"の位置,赤経α= 12h21m55s.30, 赤緯δ= +04o29'16".7に出現している.板垣氏は,これで,26個目の超新星を発見したことになり,氏が持つ我が国での超新星,最多発見数をさらに更新した(OAA計算課新天体発見情報97, CBET 756).
アンドロメダ大星雲の新星 Nova
2006-11a in M31
続いて,板垣公一氏(Koichi
Itagaki, Yamagata)は,2006年11月25日20時過ぎJSTに60-cm f/5.7反射望遠鏡+CCDでアンドロメダ銀河の一区画を撮影した捜索フレーム上に,17.5等の新星を発見した.板垣氏によると,この新星は,発見前日24日の捜索フレーム上にも,すでに出現し,その光度は17.9等であった.しかし,11月21日の捜索時には,まだ,19.5等級以下で出現していなかった.その夜に確認依頼を受けた上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)は,同夜24時すぎにこの新星を確認した.そのとき,新星の光度は17.3等であった.板垣氏は,2002年10月にアンドロメダ大星雲の伴星雲
M110に15等の新星,さらに2005年6月に同大星雲に17等の新星,今年4月には同大星雲に18等の新星,さらに,6月と8月には18等の新星,9月には急激に増光する16等の新星,および16等の新星,10月1日には,さんかく座の銀河M33に16等の新星,さらに10月31日には,同大星雲に16等の新星を発見している.板垣氏が系外銀河に発見した新星は,これで10個目となった(OAA計算課新天体発見情報97, http://cfa-www.harvard.edu/iau/CBAT_M31.html).
スペースウォッチ新彗星 C/2006
U6 (Spacewatch)
キットピークの91-cmスペースウォッチ望遠鏡で行なわれているスカイサーベイで2006年10月19日にうお座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に発見された19等級の小惑星状天体が報告された.クリステンセン(E.
Christensen)は,10月28日にレモン山の1.5-m反射でギッブス(A.
Gibbs)によって撮影されたCCDフレームを調査した結果,この天体のイメージが少し拡散していることを認めた.また,10月31日に61-cm反射で,この天体を観測したカリフォルニアのヤング(J.
Young, Table Mountain)からも,天体には尾は見られないものの拡散した数秒のコマが見られることが報告され,この天体は彗星であることが判明した(IAUC 8769).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Oct. 19.13426 23h 32m 59s.24 +03゚ 15' 56".5 19.8
OAA計算課では,2006年10月19日から11月16日までに行なわれた94個の観測から次の軌道を決定した.
。
T = 2008 June 5.2389 TT ω = 276.5349
Ω = 180.1856 (2000.0)
q = 2.499854 AU i
= 84.9314
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YAMAMOTO CIRCULAR
No.2534
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ギッブス新周期彗星 P/2006
U7 (Gibbs)
ギッブス(Alex
R. Gibbs)は,レモン山サーベイの1.5-m反射で2006年10月28日におうし座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に20等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,南西に伸びた拡散した7"のコマが見られた.10月30日のクリステンセン(E.
Christensen)によるレモン山での観測では,彗星には,拡散した5"のコマと西に15"の尾が見られた.テーブル・マウンテンのヤング(J.
Young)による61-cm反射での同日の観測では,非常に拡散した数秒のコマがあったが尾は見られなかったという(IAUC 8769).
2006
UT
α (2000) δ
Mag.
Oct. 28.29549 03h 31m 54s.84 +17゚ 55' 24".0 20.8
OAA計算課では,2006年10月28日から11月21日までに行なわれた39個の観測から次の軌道を決定した.彗星は,周期が41年ほどの新周期彗星であった.ただし,周期は,まだ,不確かである.
T = 2007 Apr. 2.355 TT
ω = 13o.563 e = 0.62917
Ω =
57.733
(2000.0) a = 11.9546 AU
i = 7.278
n゚= 0.0238453
q = 4.43307 AU
P = 41.3 年
2006/2007 α (2000) δ △ r Daily motion Elong. Phase m1
0h
TT h m 。 , AU AU , 。 。 。 等
Dec. 1 03 15.84 +17 39.0 3.552 4.503 5.9/268 162.7 3.7 20.7
11 03 11.75 +17 36.3 3.601 4.492 4.4/271 151.6 6.0 20.7
21 03 08.69 +17 37.1 3.677 4.482 2.5/282 140.7 8.0 20.7
31 03 06.95 +17 42.5 3.775 4.473 1.1/340 130.2 9.7 20.8
Jan. 10 03 06.68 +17 53.0 3.892 4.465 2.4/ 48 120.0 11.0 20.8
20 03 07.93 +18 08.9 4.022 4.458 4.5/ 62 110.1 12.0 20.9
30 03 10.69 +18 30.0 4.162 4.451 6.5/ 67 100.7 12.6 21.0
Feb.
9 03 14.88 +18 55.7 4.307
4.446 8.4/ 69 91.6 12.8 21.0
m1 = 13.0 + 5 log △ + 7.5 log r
カテリナ新彗星 C/2006
V1 (Catalina)
カテリナ・スカイサーベイで2006年11月11日に68-cmシュミットでしし座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に発見された18等級の小惑星状天体は,翌12日のレモン山の1.5-m反射による観測では,西北に伸びた非対称の8"のコマが観測された.テーブル・マウンテンのヤング(J.
Young)が61-cm反射で11月15日にこの天体を観測したところ,天体にはほとんど集光のない6"のコマと西北に非常に淡い細い尾が見られた.同じく,同所のコワルスキーは,約11"のコマをもつ少し集光した核が見られることを観測し,この天体は彗星であることが判明した(IAUC
8774).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Nov. 11.49270 10h 55m 05s.44 +10゚ 48' 36".7 18.5
OAA計算課では,2006年11月11日から11月21日までに行なわれた53個の観測から次の軌道を決定した.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)の11月15日の観測によると,彗星のCCD全光度は18.1等であった.
。
T = 2007 Nov. 25.761 TT ω = 246.932
Ω = 336.107 (2000.0)
q
= 2.95675 AU
i = 30.314
2006/2007 α (2000) δ △ r Daily motion Elong. Phase m1
0h
TT h m 。 , AU AU , 。 。 。 等
Dec.
1 11 05.18 +08 49.0 4.521 4.536 8.0/136 84.6
12.5 17.8
11 11 08.92
+07 51.8 4.299 4.468 6.6/145 93.5
12.7 17.7
21 11 11.48
+06 58.0
4.079 4.402 5.3/160 102.7 12.6
17.5
31 11 12.69
+06 08.2 3.865 4.335 4.6/185 112.3
12.1 17.3
Jan. 10
11 12.42 +05 22.8 3.663 4.270 4.9/214 122.3
11.2 17.1
20 11 10.57 +04
42.0 3.476 4.205 6.3/235 132.6 9.9
16.9
30 11 07.11
+04 06.0 3.308 4.141 8.1/247 143.3 8.2
16.8
Feb.
9 11 02.13 +03 34.4 3.165 4.077 9.8/254 154.3 6.0
16.6
m1 = 8.0 + 5 log △ + 10.0 log r
2006 November 29
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Syuichi Nakano
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