2006年11月30日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2535
発行:〒656-0011兵庫県洲本市炬口1-3-19 東亜天文学会速報部 郵便振替口座:00980-8-189107 加入者名:東亜天文学会速報部 購読料1部130円 |
Published by the Department of Yamamoto
Circular, Oriental Astronomical Association Collaborating with the Computing and Minor Planet SectionsP. O. Box No.32, Sumoto, Hyogo-Ken, 656-8691 JAPANe-Mail address: (Subscription) URL: http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/yc.htm |
編集:中野 主一 ☎ 0799-22-3747
Fax: 23-1104 e-Mail address: Editor: Syuichi Nakano, 3-19, Takenokuchi 1 Chome, Sumoto, Hyogo-Ken, 656-0011 JAPAN |
|
ギッブス新彗星 C/2006
W1 (Gibbs)
ギッブス(A.
R. Gibbs)は,カテリナ・スカイサーベイで2006年11月16日に68-cmシュミットでうみへび座頭部を撮影したCCDフレーム上の次の位置に18等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には8"のコマと,西に伸びた30"の尾と西北に伸びた22"の2本の尾が見られた.同所でこの彗星を観測したラーソン(S.
Larson)によると,彗星には20"のコマと西に100"ほどに伸びた,広がった尾が見られたという.英国のバートホイッスル(P.
Birtwhistle, Berkshire)による40-cm反射での11月18日の観測では,西に伸びた15"のコマ,同日のリーズ(J.
G. Ries, McDonald)による76-cm反射での同日の観測では,拡散は,西やや北よりに広がっていたという(IAUC 8775).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Nov. 16.40896 08h 59m 27s.60 +03゚ 11' 01".0 18.6
OAA計算課では,2006年11月16日から11月24日までに行なわれた40個の観測から次の軌道を決定した.軌道改良に使用された最終観測は,上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)によるもので,氏のCCD全光度は18.8等であった.
。
T = 2006 May 7.104 TT ω = 236.926
Ω = 157.332 (2000.0)
q = 1.70580 AU i
= 17.956
LONEOS周期彗星 P/2001
WF2 = P/2006 W2 (LONEOS)
月惑星研究所のクリステンセン(E.
J. Christensen, LPL)は,カテリナ観測所の68-cmシュミットを使用して,2007年2月に回帰予定のこの彗星を2006年11月18日に検出し,翌19日にこれを確認した.検出時の彗星の光度は19等級で,彗星には,コマが見られず,恒星状であったという(IAUC
8776).予報軌道(NK 877(= HICQ 2007))からのずれは,赤経方向に刄ソ= +205",刄ツ= +77",で近日点通過時刻への補正値は,T= -0.044日であった.
OAA計算課では,2001年から2006年までに行なわれた111個の観測から次の連結軌道を計算した.平均残差は0".53.なお,上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)の11月25日の観測では,彗星のCCD全光度は19.0等であった.
T = 2007 Feb. 6.14222 TT Epoch = 2007 Jan.
20.0 TT
ω = 51o.44761 e = 0.6659244
Ω =
75.06056
(2000.0) a = 2.9324757 AU
i =
16.90506
n゚= 0.19626933
q = 0.9796686 AU
P = 5.02 年
クリステンセン新彗星 C/2006
W3 (Christensen)
月惑星研究所のクリステンセン(E.
J. Christensen, LPL)は,カテリナ・スカイサーベイの68-cmシュミットで2006年11月18日にやまねこ座とぎょしゃ座の境界近くを撮影したCCDフレーム上の次の位置に18等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,東に15"に広がったコマが見られた.イタリーのブッジら(L.
Buzzi & F. Luppi, Varese)の60-cm f/4.6反射による11月19日の観測では,彗星には東に伸びた10"のコマと同じ方向に25"の尾が見られた.バートホイスル(P.
Birtwhistle, Berkshire)の40-cm f/6.0反射による同日の観測では,彗星は拡散状で14"のコマあり,西に少しずれた位置を中心に集光していた.アリゾナのマックガハ(J.
McGaha, Tucson)による62-cm f/5.1反射での同日の観測では,北東に伸びた9"のコマが見られた(IAUC 8777).
2006 UT
α (2000) δ
Mag.
Nov. 18.40414 07h 00m 04s.24 +46゚ 16' 11".3 18.1
-
continued -
2
YAMAMOTO CIRCULAR
No.2535
|
OAA計算課では,2006年11月18日から23日までに行なわれた50個の観測から次の軌道を決定した.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)の11月21日の彗星のCCD全光度は18.0等であった.
。
T = 2009 Apr. 23.501 TT ω = 142.308
Ω = 112.317 (2000.0)
q = 2.38606 AU
i = 125.410
ヒル新周期彗星 P/2006
W4 (Hill)
カテリナ・スカイサーベイで2006年11月22日におひつじ座を撮影したCCDフレーム上の次の位置にヒル(R.
E. Hill)は,19等級の新彗星を発見した.発見時,彗星には西北西に約15"の尾が見られた.翌11月23日のカンサスのハグ(G.
Hug, Eskridge)による70-cm反射での観測では,西北に広がったコマ,英国のバートホイスル(P.
Birtwhistle, Berkshire)による40-cm反射での11月24日の観測では,6"の恒星状のコマと西北西に30"の尾が認められた(IAUC
8779).
2006 UT
α (2000) δ Mag.
Nov. 22.33647 03h 11m 58s.56 +26゚ 23' 11".9 19.3
OAA計算課では,2006年11月19日から24日までに行なわれた35個の観測から次の軌道を決定した.軌道改良に使用された最終観測は,上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)によるもので,氏のCCD全光度は19.4等であった.彗星は,周期が18年ほどの新周期彗星であったが,周期は,まだ,大きく不確かである.
T = 2008 Mar. 18.528 TT
ω = 222o.123 e = 0.37626
Ω = 247.363 (2000.0) a = 6.90738 AU
i = 26.785
n゚= 0.0542918
q = 4.30842 AU
P = 18.2 年
LINEAR彗星 C/2005
YW (LINEAR)
山本速報2530でその発見を紹介したこの彗星は,明け方の低空にあるためか,その後の追跡観測は多くない.しかし,彗星は,同号にある予報光度より1等級明るく,12等級まで増光しているらしい(cf.
YC 2530).
OAA計算課では,2005年12月21日から2006年11月22日までに行なわれた90個の観測から次の軌道を計算した.平均残差は0".46.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)は,彗星のCCD全光度を10月25日に14.1等,31日に14.0等,11月17日に13.9等と報告している.なお,彗星は,2007年1月には,南天へと動き,観測できなくなる.
Epoch = 2006 Dec. 11.0 TT
。
T = 2006 Dec. 7.84990 TT ω = 234.63436
(1/a)org.= +0.005510
e = 0.9895247
Ω = 302.21435 (2000.0) (1/a)fut.= +0.006835
q = 1.9930163 AU i
= 40.54379
( Q = 7 )
2006/2007 α (2000) δ △ r Daily motion Elong. Phase m1 天文薄明開始時
28h
JST h m 。 , AU AU , 。 。 。 等 h。 A 。
Nov. 26 11 57.05 -26 48.3 2.349 1.998 41.0/140 57.4 24.6 12.4 +19.6 327.4
Dec. 1 12 07.12 -29 24.3 2.312 1.994 41.0/140 59.1 25.1 12.3 +18.8 331.5
6 12 17.38 -32 00.8 2.277 1.993 40.8/141 60.9 25.6 12.3 +17.6 335.4
11 12 27.85 -34 37.2 2.246 1.994 40.5/141 62.5 26.0 12.3 +16.2 339.1
16 12 38.54 -37 12.8 2.217 1.996 40.1/141 64.2 26.4 12.2 +14.6 342.4
21 12 49.47 -39 46.9 2.191 2.000 39.5/141 65.8 26.7 12.2 +12.8 345.4
26 13 00.64 -42 18.6 2.167 2.006 38.8/141 67.4 26.9 12.2 +10.8 348.1
31 13 12.07 -44 47.3 2.146 2.014 37.9/141 69.0 27.1 12.2 +8.8 350.4
Jan. 5 13 23.78 -47 12.2 2.127 2.024 36.9/141 70.5 27.3 12.2 +6.7 352.4
10 13 35.76 -49 32.7 2.110 2.035 35.7/140 72.1 27.4 12.2 +4.6 354.1
15 13 48.02 -51 48.2 2.095 2.048 34.5/140 73.6 27.4 12.2 +2.5 355.5
20 14 00.53 -53 58.1 2.082 2.063 33.1/140 75.2 27.5 12.2 +0.4 356.6
25 14 13.27 -56 02.0 2.070 2.079 31.6/139 76.8 27.5 12.3 -1.6 357.6
30 14 26.20 -57 59.3 2.060 2.097 30.0/139 78.4 27.4 12.3 -3.5 358.3
Feb.
4 14 39.29 -59 49.9 2.050 2.116 28.3/138 80.0
27.3 12.3 -5.4 358.8
m1 = 7.5 + 5 log △ + 10.0 log r φ = +35o.5
2006 November 30
Ⓒ Copyright 2006 OAA
Syuichi Nakano
Internet Explorer上にあるMicroSoft Wardのアイコンをクリックして,表示→印刷レイアウトを指定すると,ほぼ,オリジナルの山本速報が見れます.その際は,2ページ目の上にあるブランク行(2行)とこの説明を省くと,2ページに収まります.印刷の際は,B4用紙に2ページを指定すると,ほぼ,オリジナルと同じになります.