2007年6月1日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2557
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エンケ周期彗星 2P/Encke
上尾の門田健一氏(Ken-ichi
Kadota, Ageo)は,2007年5月28日朝JSTに明け方の低空にあるこの彗星の観測に次のように成功した.氏の観測によると,彗星には,視直径が4'.5の淡い大きなコマがあって,そのCCD全光度は10.9等であったが,尾は見られなかった.なお,7月1日までの位置予報が山本速報2555にある(cf.
YC 2411, YC 2412, YC 2549, YC 2555).
2007 UT
α
(2000) δ
Mag.
Observer
h m s 。 ,
"
May 27.76692 00 34 36.64 -16 53 23.4
Kadota
27.76813 00 34 36.33 -16 53 24.8 10.9 "
レモン新彗星 C/2007
K1 (Lemmon)
レモン山サーベイから2007年5月18日にこと座とヘルクレス座境界近くを撮影したCCDフレーム上の次の位置に発見された20等級の小惑星状天体が報告された.5月19日にクレットの1.06-m
KLENOT望遠鏡でこの天体を観測したティチら(M. Tichy & J.
Ticha)は,天体が少し拡散していることに気づいた.5月20日に45-cm反射でこの天体を観測したソステロ(G.
Sostero)も,天体は,そばにある同程度の恒星より少し大きく写っているが報告された.さらにバーラム(D.
Balam, Victoria)からも1.82-mプラスケット望遠鏡で5月24日に行なったロブ(R.
Robb)の観測では,天体には20"のコマが見られたことが報告され,この天体は彗星であることが判明した(IAUC 8838).
2007 UT
α
(2000)
δ
Mag.
May 18.44419 18h 23m 52s.40 +29゚ 28' 54".7 20.4
OAA計算課では,2007年5月18日から5月25日までに行なわれた84個の観測から次の軌道を決定した.彗星の近日点距離は,まだ,大きく動くだろうが,q=
9.2 AUと大きく,167P/CINEOS(11.79 AU),C/2003A2(11.43 AU),C/2000A1(9.74 AU)につぐ歴代4位の大きさであった.
。
T = 2007 Mar.
31.542 TT ω = 50.135
Ω =
294.669 (2000.0)
q = 9.24690 AU i =
108.430
ギッブス新周期彗星 P/2007
K2 (Gibbs)
ギッブス(A.
R. Gibbs)は,カテリナ・スカイサーベイの68-cmシュミットで2007年5月21日にしし座を撮影したCCDフレーム上に19等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,東南東に10"伸びた15"のコマが見られ拡散していた.ビクトリアの1.82-mプラスケット望遠鏡で5月24日に行なったロブ(R.
Robb)の観測では,彗星には6".3の淡いコマが見られることが報告された.なお,LONEOSサーベイからは,5月11日の捜索フレーム上に写っていたこの彗星の発見前の観測が報告された(IAUC
8838).
2007 UT
α
(2000)
δ
Mag.
May 21.15014 09h 36m 06s.08 +11゚ 14' 36".2 19.0
OAA計算課では,2007年5月11日から5月25日までに行なわれた30個の観測から次の軌道を決定した.彗星は,周期が20年ほどの新周期彗星であったが,周期は,まだ,確かではない.
T = 2007 June 8.777 TT
ω = 345o.819 e = 0.70343
Ω = 189.763 (2000.0) a = 7.67117 AU
i = 7.626
n゚= 0.0463887
q = 2.27503 AU
P = 21.2 年
2
YAMAMOTO CIRCULAR
No.2557
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サイデング・スプリング新彗星 C/2007
K3 (Siding Spring)
サイデング・スプリングで行なわれているスカイ・サーベイで2007年5月23日にコップ座を撮影した捜索フレーム上の次の位置にガラッド(G.
Garradd)によって19等級の小惑星状天体が発見された.5月25日に50-cmウプサラ・シュミットで,この天体を観測したマックノート(R.
H. McNaught)は,天体には6"のコマがあって,拡散していることに気づき,この天体は,彗星であることが判明した.氏は,また,同サーベイで,4月18日に撮影された捜索フレーム上に,この彗星が写っていることを見つけた(IAUC
8839).
2007 UT
α
(2000) δ
Mag.
May 23.43266 11h 45m 57s.24 -17゚ 47' 59".4 19.0
OAA計算課では,2007年4月18日から5月26日までに行なわれた26個の観測から次の軌道を決定した.なお,彗星は,その近日点を通過する2008年夏に13等級まで明るくなるだろう.
。
T = 2008 Apr.
21.7345 TT ω = 23.5610
Ω = 263.2993
(2000.0)
q = 2.051018 AU i
= 16.2948
ギッブス新彗星 C/2007
K4 (Gibbs)
ギッブス(A.
R. Gibbs)は,カテリナ・スカイサーベイの68-cmシュミットで2007年5月25日にへびつかい座を撮影した捜索フレーム上に18等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,小さく集光した9"のコマと北北東に広がった15"の尾が見られた.発見同日に50-cmウプサラ・シュミットでこの彗星を観測したマックノート(R.
H. McNaught)は,彗星には10"のコマと北に尾があるらしいことを認めている.また,ヒル(R.
E. Hill)の5月26日の観測では,数秒のコマと北に伸びた1'の広がった尾を観測した(IAUC 8839).
2007 UT
α
(2000)
δ
Mag.
May 25.32443 16h 56m 28s.69 -04゚ 37' 46".0 18.2
OAA計算課では,2007年5月25日から5月27日までに行なわれた34個の観測から次の軌道を決定した.
。
T = 2007 June
2.328 TT ω =
168.660
Ω = 68.550 (2000.0)
q = 3.52486 AU i
= 98.465
ラブジョイ新彗星 C/2007
K5 (Lovejoy)
豪クインズランドのラブジョイ(T.
Lovejoy, Thornlands)は,200-mm f/2.8レンズ+CCD(デジタル・カメラ)で2007年5月26日にうさぎ座を撮影した12枚の捜索フレーム上の次の位置に13等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,丸い視直径1'の青緑色のコマが見られた.ニュージランドのドラマンド(J.
Drummond, Gisborne)は,20-cm f/4.6反射を使用して,5月28日に西の地平線上約15oにあるこの彗星を確認した.このとき,彗星には,視直径約1'の集光したコマが見られたが,尾はなかったという.ラブジョイも同じ日にこの彗星の確認に成功している.翌5月29日に50-cmウプサラ・シュミットでこの彗星の確認したマックノート(R.
H. McNaught)は,0'.6の丸いコマを観測している(IAUC 8840).
2007 UT
α (2000) δ
Mag.
Observer
h m s 。 ,
"
May
26.3424 05
50 24.9
-15 09 16 13
Lovejoy
28.28 06 00 18.2 -15 05 39.7 13 Drummond
28.3458 06 00 34.4
-15 04 56 13 Lovejoy
29.27 06 05 15.77
-15 03
34.6
Drummond
29.34673 06
05 40.25 -15 03 14.8 13.8 McNaught
OAA計算課では,2007年5月26日から5月30日までに行なわれた10個の観測から次の初期軌道を決定した.5月29日と30日にサイデング・スプリングで行なわれた観測にはウェイトが加算されている.この軌道によると,彗星は,今年11月まで,北半球からは観測できない.そのとき,彗星は18等級まで減光しているだろう.そのため,明るい彗星ではあるが,位置予報は省略する.
。
T = 2007 Apr.
26.545 TT ω = 249.637
Ω
= 191.610 (2000.0)
q = 1.11795 AU i
= 65.180
2007
June 1
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Syuichi Nakano
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