2007年6月24日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2558
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Fax: 23-1104 e-Mail address: Editor: Syuichi Nakano, 3-19, Takenokuchi 1 Chome, Sumoto, Hyogo-Ken, 656-0011 JAPAN |
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マックノート新彗星 C/2007
K6 (McNaught)
マックノート(R.
H. McNaught)は,サイデング・スプリングの50-cmウプサラ・シュミットで,2007年5月27日につる座を撮影した捜索フレーム上の次の位置に18等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,約6"のぼんやりとしたコマが見られた.5月30日に発見者が撮った画像では,コマの視直径は4"であった(IAUC
8841).
2007 UT
α
(2000) δ
Mag.
May 27.79676 22h 50m 33s.10 -42゚ 40' 59".9 18.9
OAA計算課では,2007年5月27日から6月21日までに行なわれた16個の観測から次の軌道を決定した.
。
T = 2007 July 4.7573 TT ω = 337.8294
Ω = 298.0130
(2000.0)
q = 3.437256 AU i =
105.2280
イルスト・ピザーロ周期彗星 133P/Elst-Pizarro
= (7968) Elst-Pizarro
ハワイ大学のジェウイットら(D.
Jewitt, P. Lacerda & N. Peixinho)の観測によると,今年6月29日に近日点を通過するこの彗星が,前回の近日点通過(2001年11月)以来,久しぶりに彗星状を呈したという.彗星が彗星状に観測されたのは,2002年12月以来のこと.彼らによるマウナケアの2.2-m反射での観測によると,彗星には,2007年6月11日に,位置角256oの方向に少なくとも20"の直線状の尾が見られた.彼らは,このときの彗星の光度を19.5等と観測している(IAUC
8847).また,他の観測者からも,6月の彗星の光度が6月9日に20等,13日に19.5等,14日に19.7等,15日に19.3等であったことが報告されている.なお,今年の回帰では,この彗星は,7月には衝位置に来て,極めて良い条件で観測できる.最近になって,メイン・ベルトを運行するティミス族小惑星(a=
3.1 AU,e= 0.15,i= 1o)に属するこの彗星133PやP/2005 U1 (Read),176P=
(118401)に彗星活動が認められている.これらの彗星は,Ice-bearing minor planet,または,Main-belt cometと呼ばれている(cf.
YC 2513).
次の予報軌道は,NK 1050(= YC 2431,
HICQ 2005; http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1050.htm)による.なお,HICQ
2007(p. H68)にその予報位置がある.予報位置からのずれはない.
T = 2007 June 29.36207 TT Epoch = 2007 June 29.0 TT
ω = 132o.06830 e = 0.1635731
Ω = 160.18540 (2000.0) a = 3.1583846 AU
i = 1.38610
n゚= 0.17559274
q = 2.6417579 AU
P = 5.61 年
ICQ
Comet Handbook 2007 (HICQ 2007)
発行が遅れていた今年のICQ Comet
Handbookは,2007年3月末に出版された.今年度版は,1987年の初版発行以来,第21版となる.初版に採用された1年間に観測可能な彗星は,わずかに53個であった.しかし,今年度版には,192個の彗星が取り入れられた.CCD観測等の発見技術の向上につれ,最近の彗星の発見数がいかに多いかがうかがえる.
今年度版に約20部の残部がある.希望者には,送料込みで2,000円で配布できる.なお,昨年度版以前に2001年(17部),2002年(21部),2003年(7部),2004年(16部),2005年(17部),2006年(13部)の在庫がある.これらも,送料込みで1,000円で配布できる.購入希望者は,残部の確認をメイル,または,葉書で行なったのちに,タイトルにある山本速報用の郵便振込に希望年版を記入し,申し込んで欲しい.
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YAMAMOTO CIRCULAR
No.2558
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タットル周期彗星 8P/Tuttle
ハーゲンローザ(C.
W. Hergenrother)は,カテリナの1.54-m反射望遠鏡を使用して,2008年1月回帰予定のこの彗星を2006年4月22日に再観測し,同月26日にこれを確認した.彗星のCCD全光度は,それぞれ,20.3等と20.4等であった.再観測時には,彗星は恒星状であったという(IAUC
8848).予報軌道(NK 1103(= YC 2479, HICQ 2007; http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1103.htm))からの観測位置のずれは,赤経方向に約-6"ほどで,近日点通過時刻の補正値にして儺=
+0.016日と小さかった.なお,天文年鑑2007(p. 172〜173)で紹介したとおり,この彗星は,年末年始には5等級で観測できるだろう.HICQ
2007(p. H80〜H81)にその予報位置がある.
OAA計算課では,1967年から2007年までに行なわれた77個の観測から次の連結軌道を計算した.平均残差は1".21.なお,NK
1481に1912年以前の出現軌道と西暦-90年までの過去軌道がある(http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1481.htm).
T
= 2008 Jan. 27.02265 TT
Epoch = 2008 Jan. 15.0 TT
ω = 207o.50651 e = 0.8198559 A1
= +0.097
Ω
= 270.34143 (2000.0) a = 5.7017573 AU A2
= +0.01359
i
= 54.98268
n゚= 0.072392067
q
= 1.0271378 AU
P = 13.61 年
レモン彗星 C/2006
WD4
(Lemmon)
上尾の門田健一氏(Ken-ichi
Kadota, Ageo)は,山本速報2554でその発見を紹介した夕方の西の低空にあるこの彗星の観測に5月26日に成功した.氏の CCD全光度は14.1等であった.氏によると,彗星には,強く集光し,コマの視直径0'.7,東南東に0'.9の尾が見られるとのこと.門田氏は,その後も6月2日と10日にこの彗星を観測し,その全光度を,それぞれ,14.9等と16.3等と報告している.なお,2007年5月2日までの観測から決定したYC
2554の軌道からの門田氏の5月26日の観測位置は,赤経方向に+13",赤緯方向に+3"のずれがあった.位置予報は,同号にあるが,彗星は,すでに暗い(cf.
YC 2540, YC 2554).OAA計算課では,2006年11月20日から2007年6月12日までに行なわれた98個の観測から次の軌道を計算した.平均残差は0".59.
Epoch = 2007 Apr. 10.0 TT
。
T = 2007 Apr. 28.39849 TT ω = 292.69176
(1/a)org.= +0.002246
e = 0.9989790
Ω = 226.79052
(2000.0) (1/a)fut.= +0.001788
q = 0.5912373 AU i =
152.70445
( Q = 7 )
スキッフ彗星 C/2007
H2 (Skiff)
山本速報2552でその発見を紹介したこの彗星は,周期が約400年の長円軌道を動く,長周期彗星であった(cf.
YC 2552).OAA計算課では,2007年4月19日から5月18日までに行なわれた99個の観測から次の軌道を決定した.彗星の観測は,これで終了したものと思われる.
。
T = 2007 Feb. 17.0736 TT ω = 319.3173
a = 51.87 AU
e
= 0.972804
Ω = 203.7724
(2000.0)
P = 374 年
q
= 1.410738 AU i
= 52.2113
マックノート新彗星 C/2007
M1 (McNaught)
マックノート(R.
H. McNaught)は,サイデング・スプリングの50-cmウプサラ・シュミットで2007年6月16日にみずがめ座とわし座の境界ふきんを撮影した捜索フレーム上の次の位置に18等級の新彗星を発見した.発見時,彗星は,非常に拡散していたが,その像は,周囲の同程度の恒星よりわずかに大きく見えたという.6月18日に61-cm反射でこの彗星を観測したカリフォルニアのヤング(J.
Young, Table Mountain)は,内部が明るい6"〜8"ほどのやや伸びたコマと東に漠然とした尾らしきものがあることを報告している.同日,62-cm反射でこの彗星を観測したアリゾナのマックガハ(J.
E. McGaha, Tucson)も,7"のまるいコマと恒星状の集光があることを報告している(IAUC 8849).
2007 UT
α
(2000) δ
Mag.
June 16.70834 20h 42m 02s.29 -00゚ 12' 32".1 18.8
OAA計算課では,2007年6月16日から21日までに行なわれた29個の観測から,次の初期軌道を決定した.軌道は,まだ,不確かである.
。
T = 2008 June 7.581 TT ω = 47.868
Ω = 326.770
(2000.0)
q = 7.64146 AU
i = 139.632
2007
June 24
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Syuichi Nakano
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