2007年12月2日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2573
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LINEAR・NEAT周期彗星 193P/LINEAR-NEAT
(2001 Q5 = 2007 U2)
サーネッキーとキス(K.
Sarneczky & L. L. Kiss)は,2008年2月に回帰予定のこの彗星を2007年10月21日にサイデング・スプリングの2.3-m反射を使用して,いて座の天の川の中を撮影したCCDフレーム上に検出し,翌22日にこれを確認した.検出光度は19等級.検出時,彗星には3"のコマがあって,東に6"〜8"の尾が見られた(IAUC
8885).予報軌道(NK 868(= HICQ 2007))からの検出位置のずれは,赤経方向に+541",赤緯方向に+112"で,近日点通過時刻の補正値にして儺=
-0.62 日であった.
OAA計算課では,2001年から2007年までに行なわれた233個の観測から次の連結軌道を計算した.平均残差は0".69(http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1546.htm).
T = 2008 Feb. 20.49576 TT Epoch = 2008 Feb. 24.0 TT
ω = 8o.28609 e = 0.3959430
Ω = 335.25707 (2000.0) a = 3.5687791 AU
i = 10.70412
n゚= 0.14619232
q = 2.1557462 AU
P = 6.74 年
ラーソン新周期彗星 P/2007
V1 (Larson)
ラーソン(S.
M. Larson)は,68-cmシュミットで行なわれているカテリナ・スカイサーベイで2007年11月8日におひつじ座を撮影した捜索フレーム上の次の位置に17等級の新彗星を発見した.発見時,彗星には西南に40"の尾が見られた.彗星は,発見直後の11月9日に多くの観測者によって捕らえられ,集光した6"〜12"のコマと西南に30"〜64"の尾が観測された.レモン山の1.5-mの反射で同日11月9日にこの彗星を観測したヒル(R.
E. Hill)は,彗星には,広がった7'の長い尾が西南に伸びていることを報告している(IAUC 8893).彗星には,発見前の観測がカテリナ・サーベイで行なわれていた9月10日と10月21日の一夜の観測群,スペースウォッチ・サーベイの10月10日の一夜の観測群から見つかっている.彗星の9月の核光度は19等級,10月のそれは17等級であった.
2007 UT
α
(2000) δ
Mag.
Nov. 8.31007 03h 14m 10s.71 +30゚ 01' 12".8 17.3
OAA計算課では,2007年9月10日から11月17日までに行なわれた97個の観測から次の軌道を決定した.平均残差は0".61.彗星は,周期が約11年の新周期彗星であった.軌道改良に使用した最終観測は,上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)によるもので,彗星のCCD全光度は,11月11日に18.0等(門田),12日と14日に17.8等(浅見敦夫;秦野),17日に18.1等(門田)と観測されている.
T = 2007 Dec. 8.5965 TT Epoch = 2007 Dec. 6.0
TT
ω = 51o.4768 e = 0.461143
Ω = 8.1854 (2000.0) a = 4.967071 AU
i = 10.7891
n゚= 0.08903352
q = 2.676541 AU
P = 11.07 年
矮新星・新星 Cataclysmic
Variable in PSC & Novae in M31
山形市の板垣公一氏(Koichi
Itagaki, Yamagata)は,2007年11月2日に15等級の矮新星(α= 23h11m10s.90,δ= +01o30'03".1),アンドロメダ大星雲に16等級の2個の新星(11月13日;
2007-11c,11月28日; 2007-11e)を発見した(CBET 1126, http://cfa-www.harvard.edu/iau/CBAT_
M31.html).また,福岡県久留米市の西山浩一氏(Koichi
Nishiyama, Kurume)と佐賀県みやき町の椛島冨士夫氏(Fujio Kabashima,
Miyaki)も,2007年11月17日に16.9等の新星を同大星雲に発見した.この新星は,11月20日には,15.0等まで明るくなった(IAUC
8898).
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YAMAMOTO CIRCULAR
No.2573
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ヒル新周期彗星 P/2007
V2 (Hill)
ヒル(R.
E. Hill)は,レモン山の1.5-m反射で2007年11月9日におひつじ座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に19等級の新彗星を発見した.発見当時,彗星には,拡散した4"x
6"のコマと西に2'の広がった尾が見られた.さらに,11月10日の観測では,よく集光した丸いコマと2'.6の広がった尾が観測された.カリフォルニアのヤングら(J.
Young et al., Table Mountain)の同日の観測では,6"の拡散したコマ,11月9日のリグストリら(R.
Ligustri et al.)の観測では,非常に淡い20"のコマが観測されている(IAUC 8894).
2007 UT
α
(2000) δ
Mag.
Nov. 9.29539 02h 38m 15s.99 +12゚ 05' 51".8 19
OAA計算課では,2007年10月14日から11月18日までに行なわれた53個の観測から次の軌道を決定した.彗星は,周期が約8年の新周期彗星であった.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)によるCCD全光度は,11月11日に19.2等と観測されている.
T = 2007 July 31.3512 TT
ω = 278o.5731 e = 0.318188
Ω = 99.8935
(2000.0) a = 4.066740 AU
i = 2.4689
n゚= 0.1201806
q = 2.772752 AU
P = 8.20 年
逆行軌道を動く周期の短い小惑星 2007
VA85
& 2007 VW266
最近,周期が10年前後と短い2個の逆行軌道を動く小惑星が発見された.2007
VA85は2007年11月4日に発見された小惑星で,発見光度は18等級.2007
VW266は2007年11月12日に発見された小惑星,発見光度は21等級.2007 VA85については,彗星としての活動があるかどうか確認されたが,その活動は見られなかったという(IAUC 8894).以下の小惑星の軌道は,それぞれ,観測期間19日と7日の観測から決定されたもの.
2007 VA85
T = 2007 July 28.2140 TT
ω = 25o.4235 e = 0.735653
Ω = 115.3574 (2000.0) a = 4.169525 AU
i = 132.4749
n゚= 0.1157642
q = 1.102201 AU
P
= 8.51 年
2007 VW266
T = 2008 Aug. 20.6511 TT
ω = 225o.4462
e = 0.384210
Ω = 276.5148 (2000.0) a = 5.422780 AU
i = 108.2269
n゚= 0.07804968
q = 3.339293 AU
P = 12.6 年
LONEOS彗星 C/2007
F1 (LONEOS)
この彗星は,すでに北半球からは,観測できなくなったが,11月の眼視全光度が11月5日に6.0等,6日に6.7等,7日に7.4等(マチアゾ;豪),8日に6.7等(アモリム;ブラジル),10日に7.8等(ソウザ;ブラジル),15日に8.0等(アモリム),17日に8.3等(ゴイアト),19日に8.7等(アモリム),20日に8.4等(ゴイアト)と報告されている.上尾の門田健一氏(K.
Kadota, Ageo)によるその後のCCD全光度は,10月28日に6.3等,11月3日に6.8等であった.なお,氏の11月3日の観測は,北半球からの最後の位置観測となった(cf.
YC 2572).
OAA計算課では,2007年3月19日から11月11日までに行なわれた185個の観測から次の軌道を計算した.平均残差は0".81(http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1548.htm).彗星の運動には,非重力効果による影響が見られるようになった.この効果を考慮した彗星の原初軌道の軌道長半径の逆数によると,彗星は,オールトの彗星雲の内側から太陽近傍にやってきた彗星であった.しかし,その未来軌道から,彗星は,近日点を通過後は,太陽系から離れて行くことになる.
Epoch = 2007 Oct. 27.0 TT
。
A1 = +1.48, A2 = +0.5932
T = 2007 Oct. 28.75931 TT ω = 153.70617
(1/a)org.= +0.000824
e = 1.0000625
Ω = 172.88844
(2000.0)
(1/a)fut.= -0.000374
q = 0.4024017 AU i =
116.08508
( Q = 6 )
2007
December 2
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Syuichi Nakano
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