◎3個の大火球 [From JSGA Web News No. 137]
JSGA Web News No. 137 2008 Sept. 10
大火球 Fireballs on 2008 April 11, July 10, July 11
美星スペースガードセンターの橋本就安氏(Nariyasu Hashimoto, BSGC)から,
最近出現した次の3個の大火球の解析報告が届いた.火球1は,2008年4月11日21時
46分に出現した光度が-5等級の火球で,この火球は,徳島県藍住町にある人工天体落
下監視カメラと岡山県美星にあるBSGCのスカイモニター(http://www.spaceguard.or.jp/
SKY_MONITOR/index.html)
によって捕らえられた.火球2は,2008年7月10日00時53分に出現した爆発時の光度
が-9等級の大火球で,最近運用が始まったBSGCの落下天体監視カメラと香川県満濃公
園に設置された人工衛星落下監視カメラで捕らえられた.火球3は,2008年7月11日
23時39分に出現した光度が-6等の火球で,この火球はBSGCと満濃公園の監視カメラで
捕らえられた
橋本氏は,得られた天球上の飛行経路から,それぞれの火球について,経路上の
交点から求めた見かけ上の輻射点(R. P.)と対地経路と飛行速度を計算した.
λ(出現点)φ 高度(Km) λ(消滅点)φ 高度(Km) α(R.P.)δ
平均速度 突入速度V∞
。 , 。 , 。 , 。 , 。 。
火球1 132 42 +34 42 83 132 24 +35 00 36 186 0
11.5-Km/s 14.4-Km/s
火球2 134 12.2 +35 24.0 105.9 134 13.7 +35 46.2 77.6 298 -19
25.3
火球3 134 39.6 +34 54.8 89.2 134 21.4 +35 41.2 40.8 301 -23
20.4 25.0
OAA計算課では,それぞれの火球について,橋本氏から報告された観測データから
次の日心軌道を計算した.いずれの火球も,V∞が11-Km/s以下では解がなく,火球1は
28-Km/s以上,火球2は36-Km/s以上,火球3は37-Km/s以上では双曲線となる.OAA計算
課で求めた見かけ上の輻射点,真輻射点,対地速度Vと日心軌道は,次のとおり.いず
れの火球も,アポロ型天体に属する軌道を運行していた.なお,火球2については,V∞
が求められていないので,これを28.0-Km/sと仮定した.
4/11の火球 7/10の火球 7/11の火球
α δ α δ α δ
輻射点= 189.03 -0.08 297.81 -18.59 300.56 -23.32
真輻射点= 193.82 -8.53 297.64 -21.17 301.59 -26.97
V = 9.14 25.69 22.39 Km/s
T = 2008 June 10.07 2008 Aug. 24.85 2008 Aug. 30.99 TT
ω = 78o.37 107o.76 108o.20
Ω = 201.89 287.68 289.54 (2000.0)
i = 0.72 0.16 5.61
q = 0.8159 0.4314 0.4694 AU
e = 0.3038 0.7895 0.6954
a = 1.1719 2.0488 1.5409 AU
n゚= 0.77689 0.33610 0.51528
P = 1.27 2.93 1.91 年
なお,参考のために,4月11日の火球の衝突軌道を下に示す.
http://www.spaceguard.or.jp/ja/mpnews/200804fireball.jpg
日本スペースガード協会 (c) Copyright JSGA 2008 中野 主一
**** Don't distribute anyone except personal use only ****
(C) Copyright 2008 OAA/ComputingSection
write mail from CFAD0::NAKANO on 2008-09-10 05:40:00(JST).
戻ります。