2005年9月21日
山 本 速 報
ISSN
0915-9177
Since 1920
YAMAMOTO
CIRCULAR
2486
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LINEAR新周期彗星 P/2004
FY140
(LINEAR)
LINEARサーベイで2004年3月27日におとめ座を撮影したCCDフレーム上の次の位置に発見された18等級の小惑星には,2004
FY140の仮符号が与えられた.この小惑星は,2004年7月12日まで約4ヶ月の間,観測され,木星の軌道近くを動く,小惑星であることがわかった.月惑星研究所のハーゲンローザ(C.
Hergenrother, LPL)は,2004年5月19日と20日に得られたCCDフレームを精査した結果,そのイメージは,拡散していることが判明した.なお,これらのフレームからの精測位置は報告されていない.この確認のために,2005年7月5日と6日にカテリナ観測所の1.54-m反射で,この天体を捕らえることを試みた.このとき,天体の光度は,約19等級であるものと推測されたが,極限等級が22等のフレーム上には,その姿が見られなかったという.しかし,2004年5月の形状確認から,この小惑星は,彗星として再登録された(IAUC
8597).
2004 UT
α (2000) δ
Mag.
Mar. 27.33098 12h 37m 49s.21 -06゚ 08' 44".6 18.1
OAA計算課では,2004年3月27日から7月12日までに行なわれた52個の観測から次の軌道を決定した.平均残差は0".42(http://www.spaceguard.or.jp/ja/mpnews/0019.html).なお,この彗星は,以前はq= 5.25 AU,e= 0.49と周期が33年ほどの軌道を動いていたが,木星に1966年5月に0.23 AU,2001年11月に0.21
AUまで接近し,現在の軌道となった.今後,2050年まで大きな接近はないが,2139年と2172年には,再び,木星に0.40 AU以下に接近するだろう.なお,スロバキアのガラッド(Adrian
Galad)は,この木星への接近状況から,この小惑星が彗星ではないかということをすでに指摘していた(AN 326, No. 8, p.709-715, 2005).現在,観測できない位置にいるため,位置予報は省略する.
T = 2004 Aug. 7.09313 TT Epoch = 2004 Aug. 23.0 TT
ω = 239o.79059 e = 0.1699485
Ω = 327.27145 (2000.0) a = 4.9467793 AU
i = 2.12719
n゚= 0.08958190
q = 4.1060814 AU
P = 11.00 年
NEAT彗星 C/2005
O1 (NEAT)
山本速報2481でその発見を紹介したこの彗星は,その後の追跡観測から周期が約375年の長円軌道を運行していることが判明した(cf.
YC 2481).
OAA計算課では,2005年7月27日から9月8日までに行なわれた83個の観測から次の軌道を決定した.
。
T = 2005 May 17.4441 TT ω = 324.7510
a = 51.959 AU
e
= 0.930882
Ω = 304.7959 (2000.0) P = 375 年
q
= 3.591327 AU i =
155.9843
ヤン周期彗星 172P/Yeung
(2002 BV)
1993年10月に撮影されたDigital Sky Sutvey上に写っていたこの彗星の次の観測がボゥマ(R.
J. Bouma)から報告され,彗星は,番号登録された(cf. YC 2410).
1993 UT
α (2000) δ
Mag.
h m s 。 ,
"
Oct. 20.46338
06 44 16.41 +32
16 22.4 20.1
" 20.50157 06 44 16.88 +32 16 28.2
20.3
OAA計算課では,1993年から2003年までに行なわれた110個の観測から次の軌道を決定した.平均残差は0".55(http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1224.htm).
- continued -
2
YAMAMOTO CIRCULAR
No.2486
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T = 2008 Oct. 12.83630 TT Epoch = 2008 Oct. 21.0 TT
ω = 178o.99770 e = 0.3618110
Ω =
40.08839
(2000.0) a = 3.5106627 AU
i = 11.51799
n゚= 0.14983746
q = 2.2404662 AU
P = 6.58 年
アテン型特異小惑星 (99942)
Apophis
2029年に地球接近が予報されている (99942) アポシスの2005年9月4日の光学観測が報告された.OAA小惑星課では,2004年3月15日から2005年9月4日まで2回の衝で行なわれた951個の観測から次の軌道を計算した(cf.
YC 2456).
なお,軌道改良には,2005年1月29日と30日にアレシボで行なわれたRadar観測が,使用されているが,2005年1月27日と8月7日のRadar観測は,Time
delayが公表されていないので,使われていない.なお,Radar観測と時刻が0.1秒,位置が0".01まで測定された観測には,大きなウェイトがかけられている.加重平均残差は0".44(http://www.spaceguard.or.jp/ja/mpnews/0020.html).
。
Mo= 359.7410
Epoch = 2005 Aug. 18.0 TT
ω = 126.3733
e = 0.191024 H = 19.2
Ω = 204.4669 (2000.0) a = 0.922450 AU G = 0.15
i = 3.3310
n゚= 1.1124742
q = 0.746240 AU
P = 0.89 年
上の軌道から,2050年までの地球と月への接近は,2013年1月4.3日に月に0.0955 AU,同9.5日に地球に0.0967 AU,2029年4月13.9日に地球に0.000247
AU(0.000250 AU),同14.6日に月に0.000659 AU,2036年4月9.3日に地球に0.0504 AU(0.14 AU),同10.5日に月に0.0509
AUとなる.なお,括弧内の値は,IAUC 8593のもの.
アポシスの軌道は,10年後の予報位置に,まだ18"ほどの誤差があり,地球への接近距離は,まだ,不確かであるが,この小惑星は,2029年4月13.9日TTに,地心まで約3万7000-Km,地表面までおよそ3万Kmに接近することになる.この最接近の直前に小惑星は3等級まで明るくなる.このとき,夜の地域にあるヨーロッパ地域は,この接近を観測できるだろう.また,接近直前の様子が4月14日03時JST頃まで,我が国で観測できる.この頃,小惑星は,すでに4等級まで明るくなっており,1時間あたり9oの速度で移動する様子を観測できるだろう.なお,2006年春には,18等級まで明るくなるため,その追跡観測が行なわれ,さらに軌道の精度が向上するだろう.
なお,この接近で,この小惑星の軌道は,その軌道長半径がa= 0.922 AU(2028年8月)からa= 1.108 AU(2029年5月)と変化し,アテン型からアポロ型に変化する.
NEAT周期彗星 169P/NEAT
(2002 EX12)
山本速報2481で,その発見を紹介したこの彗星は,9月上旬に予報光度より2等級ほど明るく観測されている.上尾の門田健一氏(Ken-ichi
Kadota, Ageo)の9月11日の観測によると,彗星には,恒星状の中央集光があって,コマの視直径が2'.4,西に5'.6の尾が見られ,11.5等まで増光していた.また,ニューメキシコのヘール(A.
Hale, Cloudcroft)の9月12日の20-cmと41-cm反射による9月12日と13日の眼視観測では,彗星は拡散状で,その眼視全光度は11.5等と観測された.しかし,彼の8月上旬の観測では,彗星は恒星状で,その光度が14.5等〜15.0等であった(IAUC
8600; cf. YC 2481).彗星の観測条件は,年末にかけて,次第に良くなり,これから観測可能となる.次の予報は,NK1215にある軌道から計算したもの(http://www.oaa.gr.jp/~oaacs/nk/nk1215.htm).
2005/2006 α (2000)
δ △ r Elong. Phase m1 天文薄明開始時
0h TT h
m
。 ,
AU
AU 。 。 等 h。 A 。
Sept.27 09 41.46 +05 44.0 0.825 0.630 38.9
86.0 12.6 +17.9 275.8
Oct. 7 10 07.68
+02 58.4 0.992 0.706 41.5
69.8 13.5 +20.6 281.5
17 10 33.82 +00 34.2 1.133 0.813 44.3
58.9 14.4 +23.4 287.1
27 10 57.86 -01 32.7 1.245 0.935 47.8
51.9 15.2 +26.5 293.1
Nov. 6 11 19.19
-03 23.4 1.330 1.062 52.0
47.4 15.9 +30.1 299.8
16 11 37.71 -04 57.9 1.389 1.189 57.0
44.3 16.5 +33.9 307.4
26 11 53.44 -06 16.1 1.426 1.314 62.9
42.0 17.0 +37.7 316.2
Dec. 6 12 06.33
-07 17.2
1.443 1.436 69.6 40.0 17.4
+41.3 326.4
16 12 16.25 -07 59.7 1.441 1.555 77.2
38.1 17.7 +44.0 338.1
26 12 23.00 -08 22.1 1.426 1.670 85.6
36.0 18.0 +45.7 351.1
Jan. 5 12 26.27
-08 21.6
1.400 1.780 95.1 33.4 18.2
+46.0 5.0
m1 = 15.0 + 5 log △ + 10.0 log r
2005
September 21
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